第2話
次の日も、その次も絡んでくるミルク。
コレばっかりは時が過ぎようと変わらなかった。
そして今日もまた校庭を後にする。
学校なんてのは正直ウザったかった。理由は自分でも分からないけど理不尽に行かなければならない事にはムカつく。
そんな学校も俺達の代で100年を数えるようになった。100年も経てば何かと噂も出てくる。
その中でも、一番有名なのは「毎年恒例の行方不明事件」だ。誰がこんな名前を付けたのかはわからない。でも、どんな内容なのかはよく知っている。
それは毎年の卒業生の一人が決まって行方不明になると言う事だった。学校が初めて卒業生を出した時から続いていて、未だに一人も見つかって居ない。なんでも行方不明になるのは成績優秀者だとか噂もある……
「今年は誰が消えるんだろうな」
「やっぱアイツだろうよ。俺たちが束になっても勝てやしないし」
廊下を歩けばそんな話声を耳に入れる。でもその「アイツ」が俺だとなると微妙な感じだが…
でも、選ばれる自信はあった。この学校初、[全てを操る者]なのだから…
火や水、木に土。この学校で習うものは全て覚えた。ホントは一つだけ使えればいいのに…
たまに居るのだ。成績優秀者で行方不明になることを望者が。俺もその中に入る。
学校を卒業したところで、他の者たちと同じ道を歩むのも嫌だったから…
そして、何千と繰り返した学校がようやく終わりを迎えてくる。ミルクはずっと絡んできたけど…
その時、放送が流れる。
「アルア=アレフ君、今すぐ校長のもとへ」
俺の名前だ。何事だろう。
ミルクに絡まれていた。総勢100人くらい居たけど即済ませた。その後校長室に行く。不安でもあったり、なにか予感もあったりで心は複雑だ。
「君には、古代書物庫に行ってもらう」
「…え?」
校長の口から告げられたのは古代書物庫へ入ることの許可だった。古代書物庫と言うのは学校創立のはるか前よりある建物だった。調査して入ったものは誰も戻ってこないという。だから立ち入り禁止のはず…
でも中には失われた魔法の事などがあるとかで興味はあった。
「これは命令での。行方不明者が出てるのもこのせいなんじゃが、伝統として行ってもらうことにする」
少々というか盛大な強引さだ…
「はい」
それでも俺は即答をした。予感が的中してテンションもあがった。顔に出せないのが悔しい。
一旦の準備を済ませてから古代書物庫前まで校長の側近の二人に案内される。
鍵を開錠して中へ入る。入ったのは俺一人だけで、入ったら外から鍵をかけられた。監禁ですか!?
そんな突っ込みを入れながらも俺は古代書物庫を見渡す。真っ暗。持ってきたランプで照らす。
中には古ぼけた本がギッシリとあった。