第21話
暗い夜の下、泥だらけの荒れ放題の性別不明と対峙している。魔法使い…か。
「何あんた。わたしが用があるのはあんたじゃないわよ…」
の、ハズなんだけど相手は俺のすぐ後ろにいるアジスに用があるみたいだ。微妙にショック…
「みたいだけど、どうする」
一様、アジスがどうするのか聞いてみる。対峙中に後ろを向くとか…
「そうだな。私も腕が鈍ってしまうところだ。やってやろう」
そう言ってアジスは俺よりも前にでる。俺にやらせてくれー
「あんたがアジス=アベバって人?。兄さまの仇ってことね」
さっきから聞いているとその声は半音高い。女か? つか、兄さまって誰?
そんなことを気にしていると、いきなりその女は飛び掛ってきた。おかげで、顔を覆っていた髪はその表情をあらわにして、まだ幼さの残る顔が見られた。何してるの…こんなところで…
そんな中でアジスは右手をのばして飛び掛ってくる少女の胸ぐらをつかみ、そのまま少女を振り回して地面に叩きつけた。お見事…
今のって体術? と思いながらも頭の中で動きを再現してみる。やっぱりすごい
「うぐぁ…」
地面に叩きつけられた少女はうめき声をあげて、しばらく背中の痛みに耐えているようだった。
「貴様、兄の仇と言っていたが…、どいういうことだ」
少女の体を地面に押し込みながらアジスは聞いた。
「…ハァ…。話は全て聞いたわよ。あなたが夜襲をかけてわたしの兄さまの部隊を葬ったことを、たった一晩で、残虐なやり方で…」
少女は少し涙を浮かべながら訳を話した。ってか、その話ってまさか…
「それと…」
少女は話を続ける。アジスは力を弱めた。俺は考える。夜襲? 部隊? 一晩? 残虐? それって…
「わたしの近くにいていいのかしら!」
すると少女はアジスの両足首を片手ずつギュっと掴み、そして…
「…アヌ・レメ・カハミギ…」
訳のわからん言葉を発する。そうすると、アジスの両足を掴んでいた部分が灼色に染まった。光が発した。そして、小さな爆発音もした。まさか、爆発でも起こしたのか!?
「!!?」
アジスは驚き、その場から離れようとした。しかし、両足を掴まれているのですぐには抜け出せずに少し遅れてしまい、その遅れが一大事となった。
その場から遠ざかったアジスは立っていられなかった。その場に崩れるように倒れて、えぐれた足首の痛みに耐えているようだった。どうするべきだ…俺は。
「くそっ。油断した」
アジスは掴まれていた部分が抉れ、肉が見え骨も見え、血を垂れ流して悶える。少女は勝ち誇った顔で立ち上がる。気分爽快なんだろうな…
「動けないわよね。まっ、そんなんじゃわたしの兄さまの痛みには、到底及びませんけど」
そして、アジスに近づく少女。俺はその少女に声をかける。
「あ、ちょっといいか」
睨まれる…
「あなたには用はないとさっき言ったでしょ。殺されたいの」
「用があるとかないとかじゃなくて、多分、キミの兄さんを殺したのは俺かもしれない」
「はっ?」
少女は訳の分からない顔をする。当然だ。ちか、普通に殺す殺したを使ってる俺らって一体…
「今はその残虐なやりかたってのは見せられないけど、やったのは俺だ。アジスをかばうとかじゃない。正真正銘俺がやった。殺した」
俺は、俺の考え全てを話した。まだまとまってはいなかったけど、これ以上待ってたらアジスが殺されちまうし…
「…そんなに殺されたいのなら、一緒に死ぬがいいわ」
信じてもらってないみたいだけど、一様アジスは助かったみたいだ。こちらに歩いているから。
さてと、どうするべきか…
アジスは一体いつ活躍するんだろう・・・