第18話
・・・沈黙。
湯に浸かり、ユッタリしていたのに……なのにアジスが入ってきた…
普通に…当たり前のように…
もぅいい…今に始まったことじゃないんだ…慣れよう…
「なぁ…」
ということで、話をすることにした。
「ユートピアについて、何か知ってる?」
適当な話題を考えるもこれしか浮かばないし、間が埋まるだけでもよしとしよう…
「どこでその言葉を知った」
目の前のアジスはその言葉に反応した。
「さっき下で聞いた」
「そうか」
少しの間、沈黙…
「私も詳しくは知らない。だが、ユートピアの力は今だかつて見たことがない力だった。アルアと会い、その強さを再認識した」
キツイ視線をこちらに向ける…
「俺の力がどうかしたのか?」
「一言で言えば、似ている。そいつらの力とアルアの力が…。」
同じ力…。やっぱり、俺と同じく未来から来たってのは当たっているのかもしれない…
「元々、私の知っている魔法使いというのはあらゆるものを生み出す存在だった。だが、最近になって現れはじめた…」
生み出す魔法…。それは昔の魔法だ。そして今、俺の使う魔法は操る魔法。やっぱり、ここが過去って言うのは本当らしい…
「操る存在が…。私も一度、戦ったことがあるが…強い…」
「生み出す魔法と、操る魔法ってそんなに違うものなのか?」
「生み出す魔法は時間がかかる。大概はその時間をついて攻めている。だが、操る魔法は速い。隙をついて反撃してもすぐに返される」
確かに自分で使っていて分かる。速いってことが…
「そこからついた、“ユートピア”というのはその総称。操る魔法使い。実際は一つの軍なのかは分からぬが、恐怖を持つ仮の集団国家。“どこにもない国”とな」
「ユートピア…か」
この話も終わった…。残ったのは間…。なんとかしてくれ…
「…アルアも操る魔法使いのようだが、何か知ってるか」
いきなり話題を振られた。まぁ、答えられるけど…
「俺もそのことを下で聞いて、色々考えてみた。考えれば考えるほど、俺とユートピアのつかう力は同じ。アジスの言う、操る魔法だ」
「やはり…か」
今までの考えをまとめながら語る俺。アジスもいろいろと考えていたみたいだ。
「魔法使いの力は二つに分けられる。俺の使う操る魔法と、生み出す魔法。細かく違いを説明すればきりがないけど、大きな違いは“魔力”があるかないか」
「魔力…」
一様は、学校で習ったことをそのまま言ってみる。さて、一体どこまで説明するべきか…
「魔力は10000人に1人が持って生まれてくる魔法の源。それを消費して生み出す魔法を使うらしい。魔力を火とか水とかに変化させるから、その分の時間がかかる。消費した魔力はゼロにならない限りは回復するとかなんとか」
うろ覚えだから自信はない。でも覚えてる。
「なるほどな。故に、魔法使いの存在が少ないということか」
アジスが口を挟んできた。ん〜…
「ならなぜ、アルアのような存在が出現しはじめたのだ」
アジスの問い。その答えは…
「俺の考えが会ってるなら、ユートピアの連中も俺もみんな、未来から来た」
これが答えだ。
「未来から…」
少し動揺するアジス。そりゃ、いきなり言われるとね…
「だが、確かに未来の力と言われれば、納得がいく」
おぉ、受け入れるの早い…
「言い忘れたけど、俺の力っていうのは魔力のいらない、分かりやすく言えば手品みたいなもの。タネや仕掛けがわかれば誰だって操れる魔法さ」
「誰でも…か」
これで、俺の知ってることは全て話したはず…
「んじゃ、上がるか」
逆上せてしまうので、話を切り上げて上がることにした。
そして、寝る。
最近、おもんないですね・・・