第16話
「殲滅部隊…?」
王室に呼ばれ、話を聞いた後のこと。俺の口から出た一つの言葉だった。
「うむ。つまりアルア殿の力を認めて、我が戦力となってほしいのだ」
ようするに…仲間ってことでいいのか…?
「えっと、でもいいのですか? 俺みたいな者を仲間にしても…」
のけ者にされ、恐れられ、誰もが離れた俺だ。だから、仲間とになろうとか言われたことがない。だからなってもいいのか、俺が不安だ…
「そのことについては、しばらく観察していた。そして、不審なところが無いと判断した当然の処置だ」
シド様の隣にいるアジスが説明する。って、今までのアレは観察してたのかよ! 風呂に入ってきたり、部屋に無断で入って来て寝顔みたり、寝顔見たり…
「それと仲間ではない、戦力だ。私と一緒に戦争を優位にするため、裏の活動をしてもらう」
落ち込む俺を気にもせず話を続けるアジス。まぁようするに、アジスと初めて会ったあとの、俺がやったあれを、アジスと一緒にやるってことか…
「そしてこれが証だ。つけていれば、色々と役に立ってくれるだろう」
シド様がそういうと、アジスが近寄って来て、剣の装飾が刻まれた銀色の首飾りを差し出した。
「汝、忠誠を誓うか」
アジスが語りだす。忠誠…。“戦いに行ける”、それだけで最初はいいと思った。でも、今は守りたいものがある。俺はそのために戦うことを…、力を使えということか…
「…誓う」
「ならばこれをお主に渡そう。首に掛けるのだ。それが忠誠の証、この国の証明だ」
俺はその首飾りを受け取った。そして、言われたとおりに首に掛ける。
「うむ。それでは、今まで通り依頼はアジスを経由して伝達する。それではゆっくりしているように」
そう言って、シド様は別の部屋へと入っていった。残されたアジスと俺はその場を後にする。
歩きながら首飾りを見下げる。その首についた装飾を眺める。重くはないけど、かっこいい。これが証…か。というか、嬉しい…
「お主…いや、アルアにまで力を借りることになるとは。だが、今の現状では仕方が無い、力を貸してもらうぞ。アルア」
「ん? あ、あぁ。まぁ、何をどこまでどうすればいいかわからないけど、誓った以上はやれる限りのことはする」
「そうか。なら、安心だ」
何ができるかわからない。けど、初めて認められたんだ。初めて…仲間に…
「これで、アルアを監視することもないのか…」
なんか悲しそうに言ってる…。 俺は嬉しいというか、ホッとするよ。 でも、ちょっと残念な気が…。いやいやいや、嬉しいんだ。うん。
「先戻るわ」
そう言って俺は部屋へと向かう。その前に食堂へと寄る。朝食って無いし…もう昼だろうし…
んで、食堂到着。昨日と違い、だいぶ静かになっている。でも人は何人かいる。で、厨房の奥からマカロニが気づいてこっちにやってきた。
「よぅ。いらっしゃい」
カウンターに両手を着いて向かい入れる。俺もカウンター席に座る。
「今日は人少ないんだな」
「兵士来るのは夜だけだからな。今は住人が来る時間だ」
「ふーん。まぁいい。二人前で何か頼む」
昨日みたいに、俺は金を取り出す。
「あれ? その首」
すると、マカロニが何かに気づいたようだ。
「ん? あぁ、これか。かっこいいだろ」
俺は右手で首飾りを掲げ、見せびらかすように自慢した。
「この国に忠誠を誓ったのか。すごいな」
「あれ? 知ってるんだ、首飾りの意味」
「普通に誰もが知ってるさ。その首飾りさえあれば、こういう食堂とか店での買い物がタダになって、いろいろできるんだ」
「タダにして大丈夫なのか?」
この首飾りを自慢しようとしてたのに、なんか趣旨が違ってきた…
「兵士が戦争とかで手に入れた金品は皆、城の方に全部渡る。兵士は娯楽をタダで楽しんで、城からお金が支払われる仕組みになってる。こういうことさ」
この首飾りの意味をスラスラと語る。ふむふむ…
「なるほど。要は首飾りがあれば何でもできるってことか」
「使い過ぎれば、いろんな人から反感沸くから気をつけろよ?」
やっぱ注意は必要なんだな…
「でも、中には忠誠を誓わないで国の為に尽くす人もいるんだ。そういう人には礼として報酬金が支払われる。昨日のキミがそんな感じだったよな」
あぁ、なるほど。結構整ってるんだな…
グゥ〜
「…んじゃ、手始めに飯二人前で」
「あぁ。俺が作ってもいいか? 暇で暇でしょうがなくてな」
「任せる」
「よっしゃ」
腹の音がなって注文、そしてテキパキ調理にとりかかるマカロニ。