第13話
お金を見てしばらく固まる。といっても出来ないけど…
「どうするんだ? 何か注文するのか?」
「おぉ…」
もういい。この場所は過去だってことを受け入れよう。なんでこんな場所に来たんだか分からないけど…
「早くできる量の多いやつ三品くらい、この金額内で持ってきて」
久しぶりに本気を出したためか腹が減った。だから早く腹を満たしたい。というか、俺が本気を出したのっていつぶりだ?
「早くできる量のおおいやつ三品、注文」
「お前がつくれ! マカロニ!」
お金の額を計算し、俺の言った言葉そのままを注文するという、一連の動作を終えたマカロニに対して、厨房にいるコック全員が答えた。おかげで声がでかい…
「仕方ないか。今の時間帯は兵士さんたち中心で働いてるからな」
「早くしてくれ〜」
俺はテーブルからずり落ちる。腹減った…
「仕方ない、俺が作るか。一品ずつになっちまうけどいいか」
「あぁ…。早くできるものから持ってきてくれ」
「先にお代は頂いておくな」
テーブルによりかかった体勢でしばらく待つ。すると、あの少女の名前とかを気にし始めた。腹も減ってるだろうし、少しくらい持ってくか…
そんなこんな考えてるうちに、テーブルで音がする。
「はいよ。一品目お待ちどう」
俺は立ち上がって早速食べ始める。うん、早いしうまい。でも、山並みの量なんですけど…
「うん、うまい」
「よかった。二品目、待ってろよ」
そういって厨房に戻るマカロニ。そして黙々と食べる俺…
そうしていって二品目を食べ終えたところで三品目が来た。満腹です…
「持ってって部屋で食べるわ…」
山盛りに盛られている皿を持つ。うん…もう無理。
「それなら、食べ終わった皿はこの場所に持ってきてくれ」
マカロニは目の前のテーブルを叩く。分かりやすい…
「あぁ、わかった。ご馳走様」
「またのご来店おまちしてるぜ」
そして、俺は料理を持ちながら部屋に戻る。量が多いから重くて階段が大変…
部屋に入ってすぐに料理を置く。腕が疲れた…
少女はまだ風呂に入っているようだ。と思いきや、風呂の扉が開いた。
「上がっ…」
声をかけようとして少女をみたが、その姿をみてすぐに視線を戻した。いつものように顔は赤くなる。もろ見ちまった…
うん、裸でした…はい。すみません…
部屋を駆け回って何か着せるものを探す。そしてバスローブを見つけてすぐに着せる。これでなんとか…
そして少女はテーブルを見ている。
「食べるか?」
少女は声もなくうなずいた。白い髪と肌はテーブルへと向かい、料理を口にする。
「…おい…しぃ…」
少女は少しずつ料理を口に運ぶ。ゆっくり…
その姿をじっと見つめる。震える細い腕で少しずつ少しずつ少しずつ…
気がついたら全部食べてしまっていた。少女は手を合わせて…
「……ごちそうさま」
少女の肌や唇には少し、色が戻っていた。
「なぁ」
「……はい?」
「名前、まだ聞いてなかったな」
「……ノンノ。ノンノって呼んで」
小さい声で名前を繰り返す。ノンノ…か。
「俺はアルア=アレフ。まぁ、好きに呼んでくれ」
「……アルア…アレフ。アルア…。うん、アルア」
俺の名前を気に入ったかのように繰り返す。
「ノンノだよな…。崖から落ちて傷だらけの俺を治してくれたのは」
ノンノはコクリッとうなずいた。
「あれ、一体何したんだ? あっという間に治ったけど」
ノンノは少し戸惑って…
「……小さい頃から使えてた力だから、ノンノにもあまり分からない…」
「そっか。でも、ありがとな」
お礼を言うとノンノは笑ってくれた。その笑顔がものすごく可愛いかった…
「今日はもう遅いから、寝るか」
「……うん」
「ノンノはそこのベットで寝ていいから。俺はそっち側で寝るし」
そして、ノンノはベットにもぐりこんだ。寝顔も可愛い…
食べ終えた皿をテーブルに戻してきて、俺もベットに入る。というか…、一つ部屋の下で男と女が寝ていいのか…?
何も考えないようにして寝る。朝までゆっくりとしていたい…
しばらくはお付き合いくださいませ・・・