表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/76

第十五話

「退け退け退け退けぇぇぇえっ!」

「うおっ! ま、また貴様等かァッ!」

「オラオラオラオラオララララァァッ!」

「ひゃっほおおぉうっ!」

「キャアアアアアアア!」

「いたっ! ええええーん!」


 荷物を積んだ船や観光船が多く通れるように作られたメインの水路から、水飛沫を盛大に上げて走る数台の船。

 周りの住民からはいつものことなのか漁師のオジサンが網を落とし怒声を放ち、子供連れの女性は悲鳴を上げ、子供は驚きこけて泣き始めた。

 それを見て再び喜びの奇声と滅茶苦茶の操縦をする暴走族の様な船乗り達。


 見た目は全員若く二十代後半といったところだ。

 日に焼けた健康な肌をし、一見漁師じゃないかという恰好をしている。

 ここ特有の格好なのだろうが右腕には長いカラフルな布を巻き付け、唾の長い帽子に片胸に留めるマントの様な物、服装は半袖長ズボンだが丈夫そうで、だぼっとしているところを見ると防水加工されているみたいだ。

 そして、あそこまでの速度を出すには風だけでは無理なため魔法を使っているのだろう。魔力も有限なため船には交替員と休憩も出来るように三人乗っている。

 計二十人ほどが水路を周りの住民に迷惑を掛けながら蛇行運転している。


「……ウィンディア。あれ何なの?」


 レムエルは少しかっこいいと思いながら興味を持つが、未知の存在と人に迷惑をかける存在に不安と怒りを覚え、やはりソニヤの後ろに隠れて隣で頭を抱えているウィンディアに訊ねた。

 レムエルを庇う形で馬を横向きに移動させたソニヤも警戒しながら意識を割き、ウィンディアは聞かれるとわかっていたようで頭が痛そうに深い溜め息を吐く。


「ええー、あれはここ最近現れ始めた『蒼天大海蛇(ブルースカイ・サーペント)』という一種の暴れ屋です。頭の痛い話ですが、見ての通りこの時間帯となると毎日のように現れ、住民の迷惑も考えずにただ闇雲にメイン通りの水路を走るのです」


 本当に頭が痛そうに蟀谷を揉みながらレムエルに答える。

 レムエルはそれを聞き、改めて近づいてくるその『蒼天大海蛇』と呼ばれる者達を見る。

 住民に迷惑をかけているという時点で既に興味は失せていたレムエルだが、近づいてくることに恐怖を覚え始めびくびくしながら様子を見守る。

 チラリと見えるソニヤの横顔は眉が細められていることが分かり、元騎士ということもあり人の気持ちを分からない者が嫌いなことが覗える。


「皆迷惑そうだけど……止めないの?」

「そうしたいのはやまやまなのですが、彼らが何処に隠れ住んでいるのか分からないのです。住民の通報により気付いたとしても既に遅く、移動速度も速いため容易に捕えることも出来ません。どうやら我々以上にこの水路を熟知しているようなのです」

「そうなんだ……」

「住民に怪我をさせることはないのでこちらも実力行使に出られず、何かを盗むということもなくただ走るだけのようで困っているのですよ。それと元々彼らはレースの参加者だったのです」


 ウィンディアは遠くを眺める様なすまないことをしたという目を彼らに向ける。

 レムエルはなんとなく察しは付いたが黙って待つ。


「先ほど申し上げたように、出来るだけ住民に苦労をさせないためにレースの開催回数を減らし、どうにか費用を抑えることにしたのです。ですが、その反動でレースで稼いでいた選手達は食い扶持を無くし、現在は国で仕事を回しているのですが中々手が回らない状況なのです。中には彼らの様にレースをすることしかできない者もいます。彼らなりの抗議なのだと思うと……」

「心苦しいんだね」


 レムエルが続けた言葉に力なく笑い、暗くなる顔を見せまいと目を伏せるウィンディアはとても領民思いなのだろう。

 普通の領主ではこんなことまで思い悩むことはない。

 小を捨て大を拾うとは言わないが、迷惑をかけるのであれば実力行使をしてでも捕えるだろう。幸いここの住民は水に対しての恐怖が少なく、誰でも泳げるだろうし、水が多くあるため上手く落とせば怪我をさせることもない。

 レムエルも国民思いなためその気持ちが痛いほどよくわかった。


 悲しい顔をするレムエルの頬をそっと撫でる柔らかな風。

 それに気づいたレムエルは耳を澄まし、何やら心の中で会話のようなことをしているのか時折嬉しそうに、驚きながら頷く。

 ソニヤはこの状態を村で幾度となく見ているため不思議に思わないが、また何かやろうとしているのだろうと少しだけ心労が溜まる。

 目を伏せていたウィンディアには気づかれなかったようだが、後ろにいた兵士三人は様子の変わったレムエルに声をかけるべきなのか迷う。


「よかったら僕が捕まえてもいいけど……いいかな?」


 そうレムエルはウィンディアに任せて? と肩口に覗きながら訊ねる。

 先ほどまで怖がっていたレムエルとは打って変わった楽しそうな表情を見て困惑するが、ウィンディアは即決できずに詳しく知っていると思えるソニヤを見る。

 気付いたソニヤはレムエルに向き直り聞く。


「レム君。いえ、レムエル様。精霊とお話しされましたね?」


 口調が変わったことでこれからレムエルではなく、殿下として動く様にと言っているのだろう。


「ああ、うん。精霊はね、あれがしたいんだって。面白そうで、楽しそうで、自分達もしてみたいって言うんだ。特に水と風の精霊がね」


 詳しい説明を受けていたであろうウィンディア達は軽く驚く。

 やはり本当に話せるとまでは思っていなかったのだろう。

 レムエルは気付かずに続ける。


「それでね、僕は実体化させるの? って聞いたんだけど違うんだって」

「違うのですか? 精霊の動機は分かりましたが、それはレムエル様も加わらなければならないことなのですか?」


 できれば危ないことはしないでほしいと眉をハの字にするソニヤに、レムエルは心配させたくないと思いながら頷く。


「うん、精霊は僕と一緒に、いや、僕が乗った船を操縦したいって言うんだ」

「レムエル様が乗った船を、操縦、ですか?」


 ウィンディア達もよくわからずに首を傾げる。

 その間も『蒼天大海蛇』は近づいてくる。

 警備兵が船に乗って現れるが、その速度に翻弄され、なかなか捕まえることが出来ていない。

 住民もいる為警備兵は速度を出せず連携を取りながら捕まえるしかないのだ。


「あの人達は魔法を使ってるでしょ? だから精霊が対抗意識を燃やしちゃったんだ。まあ、ほとんど一緒に遊びたいだけみたいだけどね」


 そういうレムエルの髪がふわりと持ち上がり引っ張られる。

 どうやら精霊が抗議をしているつもりのようだ。

 それを見て人間らしい精霊だと皆が思い、ソニヤは理由になっていないと聞く。


「精霊については分かりましたが、レムエル様が乗る必要はないのでは?」

「だから、僕も一緒に楽しまないといけないって。まあ、僕にしか精霊は操れないし、その意思も汲めないから、どうしても精霊の願いを叶えようと思ったら僕も参加するしかないんだ」

「で、ですが、危ないです。もし、レムエル様に怪我でもされたら……」


 死ぬとまでは思っていないが、泳ぐ練習すらしていないレムエルが心配なのだ。

 それを知ってか知らずか、レムエルは首を揺らしながら言う。


「大丈夫だと思うよ。精霊がもしもの時は助けるっていうし、それでも不安ならソニヤも乗ればいいよ。僕と一緒にいて捕まえておけば僕としても安心できるしね」

「わ、分かりました。私もご一緒させていただきます」

「うん、いいよ」


 仕方ないというように許可を出すソニヤだが、レムエル本人から抱き着いていいという許可が出たため、思う存分触ろうと邪なことを考えている。

 さすがの精霊も鉄壁の仮面の下に隠れた物までは読めず、ソニヤの思惑は順調に進む。


「ということなんだけど……ウィンディア、船貸してくれる? どんな物でもいいんだけど、精霊は小型なのがいいって」


 まだ、借りれるかどうかすら分かっていない状況だが、レムエルとソニヤは既にやる気だ。

 ウィンディアからするとやめて頂きたいと全力で言いたい所なのだが、ここで精霊の願いを無碍にするとどうなるか分かったことでもないと考える。

 しかも、風の精霊ならまだしも、水の精霊までとなると水を司る水上都市の長としては叶えるべきことだ。

 自分が水棲族であるということもあり、水の精霊を若干崇めていたりする。

 彼女は精霊教の信者なのだ。


「危険はないのですね?」

「うーん、多分大丈夫。心強い精霊もいるし、ソニヤもいるから何とかなると思うよ。あれだったらウィンディアも乗る? 精霊はいいって言ってるけど……」


 レムエルの顔の傍に水玉が数個浮かび上がり、頬にふよんふよんと体当たりする様にぶつかり、自分の意思をレムエルに告げる多分水の精霊。

 風の精霊もそれに呼応しているのか髪がブワッと持ち上がり、ウィンディアの歓迎をしているようだった。


「あ、ありがたいですが、私は……」


 と、本当は乗りたいウィンディアだが、体面と恐れ多いという気持ちが強く拒否してしまう。


「でも、精霊は乗せたがってるけど……」


 レムエルが言うようにウィンディアの髪や腕を引っ張る精霊達。

 不思議な現象に驚くウィンディアだが、こうなっては仕方ないだろうと腹を括り、兵士三人にすぐ準備をするよう指示を出す。


「……分かりました、私もレムエル様のお供をさせていただきます。――あなた達は近くの住民から船の提供を。壊れた際に弁償と貸して頂けるのなら代金も払うと伝えなさい。それと、警備兵と住民にはもしもの時が起こってからでは遅いので、避難まではしなくていいですが気を付けるよう警戒を」

「「「はっ! すぐに準備いたします!」」」


 ウィンディアが参戦を決めたことで兵士三人も腹を括り、指示に従って一人が住民と交渉に入り、二人は近くの警備兵にレムエル達のことを伏せて事情を説明する。

 住民は会話を聞いていたのか面白そうだとすぐに漁師の使う船だが、帆の大きな船を貸してくれた。

 警備兵も手を焼いていたようだが、ウィンディアの指示もあったため追い掛けるだけにしていたようだ。

 ウィンディアが出ると言ったため二つ返事で住民に警戒を伝えに走る。


「ちょっと大事になってきたね。ついでにこれを利用しちゃおう」


 レムエルはぽんと手を打ち、指を立ててそう言った。


「利用ですか?」

「うん。もう一か月経つし、さすがに精霊まで出したらやり過ぎかもしれないけど、黙秘という選択を取ればそれは噂となる。その噂は確信がないけど、この街では多くの者が見ていることになって、次の作戦である精霊教の布教作戦の効果がぐんと伸びるっていうことだよ」

「私もそれを手紙で聞きましたが、それなら有効でしょう。ですが、精霊を使えるというのが早く広がってはいけないでしょうから少し流出するのを抑え、鎮火した後に再燃させる時に大々的に行いましょう」


 今の国が嫌いなウィンディアは楽しそうに作戦を手伝うと言い、ソニヤは難しい顔をしている。


「ソニヤは嫌だ?」

「い、いえ、そういうわけではありませんが、ただ、やり過ぎて国から軍が動かないかと思いまして……」


 ソニヤの懸念も尤もだが、今の軍が動くことはほぼ皆無なためその心配は杞憂と思ってもいいだろう。

 もしも動いたとしてもソニヤやこの地の領主達が、団長に説明すればもしかすると協力を得られるかもしれない。

 問題は指揮官が王族だった場合どうしようもないということだ。


「ソニヤ、それは僕にも分らない。でもね、これは利用するべきことなんだ。確かに軍が動くかもしれない。だけど、軍が動いたとしても対策はいくつでも練ることが出来るんだよ? 幸いここは軍のいる王都から大分離れている。だから、考える時間もあるし、少し足止めするだけでいいと思う。確証はないんだけどね」


 そうレムエルは笑い、ソニヤの手を握り締める。

 ソニヤは使える主に心配されて自分の役目を思い出し、元騎士の風格を纏いながらキリリとした表情で軽く頭を下げた。


「分かりました。まだ、レムエル様が王族ということは伏せさせてもらい、名前も伏せます。その二つに関してはまだ早いと判断しかねますので」

「うん、それは僕も賛成だよ。ウィンディアには悪いけど、情報の操作っていうんだよね? よろしく頼むね」

「はい。そのくらいなら喜んでさせていただきます。結果、住民が豊かに笑っていられるのなら尚更です」

「ありがとう。じゃあ、僕達も準備に入ろう」

「「はい」」


 レムエル達は馬から降りると近くの警備兵に任せ、貸してもらった船の場所へと向かう。

 途中レムエルはカロンが行った時と同じように空間に手を突っ込み、舞踏会で付ける様なマスカレードと呼ばれる、顔上半分を隠す金属製の仮面を取り出した。

 その仮面はカロンとクォフォードが話し合い、顔がばれないようにと作ったお遊びの仮面であり、軽い認識阻害と装備者が外さない限り取れない魔道具なのだ。

 白い金属に金と小さな宝石が散らばれたもので、右こめかみ辺りには赤から黒へと変わる羽根が付けられている。

 勿論、ソニヤも結構顔が知られているため同じような、今度は騎士が付ける様な兜型の仮面だ。

 ウィンディアも欲しい――仮面が欲しいではなく、恥ずかしさを紛らわせるため――と言ったため女性用のカラフルな物を付けている。


「少し恥ずかしいですが、着け心地はいいですね」


 ウィンディアはほんのりと頬を染めて言う。

 それにレムエルは笑って答え、ソニヤは何か気に入ったようだ。


「うん、裏面は孤独の森の深部に出る『ウールディア』から作られてるんだ。布団にしたりすると気持ちいんだけど、水が多いところはあまり適してないからね。――ちょっと船に仕掛けを作るよ」


 王族でも一つ持てば自慢できると言われる高級品の素材に目を丸くするが、レムエルは知らない為そう言って船に精霊の力を加えていく。


「すみませんが、このことは内密に頼みます」

「あ、ああ、分かった。領主様も大変だが、楽しそうなことをしてくれるのなら大歓迎だ。怪我はせんでくれよ」

「はい、提供ありがとうございます。もしかするとこの先いいことがあるかもしれないので、この船は大切にしてください」


 ウィンディアは精霊の力が施されるという船を見て言うが、漁師は首を捻りながら詮索はしない方が良いなと頷いた。


 レムエルは精霊に指示を与えながら少しずつ船に手を加えていく。

 船自体が変わるわけではないが、周りに水で出来た大型の羽根が付いたり、帆に風の膜が付き速度が飛躍的に上昇したり、船体が傷付かないように水の膜で覆ったり、としたい放題だ。

 仮面で見難くなっているが、瞳に竜の頭部が浮かび上がり『竜眼』が出てきている。

 恐らく、精霊だけでなく船の知識に関しても関わっているだろう。


「よし! じゃあ、風の精霊は船を持ち上げて、水の精霊はそのまま維持してね。あっちにある水路にゆっくり降ろそう」


 レムエルの指示に聞こえない声を上げる精霊に微笑む。

 目が飛び出るほどあらゆる意味で驚く漁師だが、既に目を瞑り考えないようにしている。


 完成した船は船体が三倍ほどになり、側面からは大きめのオールの様な物が幾つも生えている。帆は大小合わせて三つあり、一つは風でコーティングされた立派な帆で、二つは水で出来た特別な帆だ。通常の船と違い座るところが計五つ存在しており、どこの知識か知らないがシートベルトの様な物まで再現されている。

 これが全て普通の水で出来ているのが拍車をかけ、無限とも言える精霊の力をふんだんに使ったため、水特有の歪みが一つもない光り輝くクリスタルの様な、神秘的な船が出来上がった。

 さすがにここまで考えていなかった二人は早まったと思ったらしいが、レムエルと精霊が嬉々として作り、完成を喜んでいるため作り直せと言えなかった。


「あ、丁度いいタイミングだね。二人は前側の三つの席に座ってね。僕はその間に座るから」


 レムエルは船から自動で降ろされた梯子を渡って船に乗る。

 二人もその後に続くが、席がもう二つ後ろにあることに気付き首を傾げる。


「ええ……一応聞きますが、ここは誰が座るのですか?」


 ソニヤの自分の考えが間違っていると言ってほしそうな声に、レムエルは振り返り満面の笑みで答える。


「勿論、風の精霊と水の精霊だよ。この地域はかなり良いところみたいで上級精霊まで具現化させられるんだ! 村にいた時ぶりだから楽しみだよ」

「あ、そ、そうですか。それは良かったですね」

「うん! じゃあ、腰のベルトを付けて落ちないようにしてね。……力ある精霊よ、その姿を僕の前に現し、僕と一緒に冒険をしよう!」


 ソニヤの投げやりな返事に気を留めることなく、精霊教教会で行った時と同じように精霊を具現化させる。

 優しく暖かい緑色の一陣の風と水面が波打ち蛇の様な水が船へ向かう。

 風は小さく渦巻くとその色を白く変え深緑色の髪を靡かせ、緑色のワンピースを着た薄碧色の肌をしたレムエルと同い年ぐらいの女の子が現れ、隣の席では全く濡れない水が椅子へ降り、青紫色の髪を頭部で捻って留め、水の羽衣を纏った薄紫色の肌の、これまたレムエルと同い年くらいの女の子が現れた。

 二人に共通することは満面の笑みを浮かべていることと、その見た目通り属性の強烈な力を感じることだ。


「「…………」」

「久しぶりだね。シルフ、ウェンディ」


 絶句する二人を無視したレムエルは、再会を喜び三人? で抱き合う。

 一般的には声が聞こえないが、レムエルに届く歓喜の声をパクパクと動かし伝える二人。


「わかったからもう座ろうか。そろそろ来るからね」


 背後でこちらの様子に気付いた『蒼天大海蛇』が速度を上げて近づいて来ていた。

 二人の精霊を座らせるとレムエルもソニヤとウィンディアの間に座り、腰回りにベルトを付けて船が横転しても投げ出されないように備える。


「テメエらァァッ! 何してやがるゥゥゥっ!」

「その船よこせやアアアァ!」

「ヒュウゥゥアアアァ!」


 背後から聞こえる声を聴き流し、レムエルは緊張している二人に肩を持たれながら発進宣言をする。


「よし、準備万端だね。それじゃあ、風と水の精霊合作『精霊魔導船』発進!」


 その声に応じて背後から強烈な風が吹き、船体が少し浮き上がりながら騒然となり始めたメイン水路を動き始めた。

 同時に後に語られることとなる『精霊に祝福されし船と暴れる船』の伝説が始まるのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ