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蒼銀の竜契約者  作者: 深田風介
翠銀
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事故

 何回か周ってみたが、隙間なく竜が覆っている。

 跳躍で入るか。でもその場合、音とかですぐにバレてしまう。それに、あの王城にとりついている竜が動き出すかも。

 俺の脳裏をよぎったのは、竜人化。使えば安全に潜入できる。だが、不測の事態が発生した場合、ここで俺一人対グレン王国の戦闘がはじまってしまう。その場合、竜人化ではなく竜神化を使わないといけなくなる。

 どうする。ここまでに得た情報だけ持ち帰って撤退するか、リスクを背負って中に入るか。

 あれだけ戦争を止めるだののたまっておいてこれか。

 このまま竜神化して全てを終わらせてしまいたい衝動に駆られる。けれど、あの邪竜もどきの正体が分からない以上、下手な手出しはできない。

 このまま最終日までここから観察して少しでも情報を得ることにしよう。


「動くな。少年」

 

 っ! おいおい嘘だろ。そんなことってあるか。 

 背後から聞こえる声。耳にこびりついて離れない声のうちの一つ。

 

「ギル、か」


 状況を認識し出す。

 終わった、んじゃないか、これ。

 自身への怒り、後悔。これからどうするか。様々な思考が走る。

 生き返ったギルは、前回グレン王国襲撃の際に、以前より強くなっていた印象を受けた。

 逃げるために竜人化を使うしかない。竜神化は一週間身体を動かせくなり、奇襲作戦に間に合わなくなるから使えない。


「そう急ぐな。戦闘の意思は無い」


 振り返る。そこには目をつぶって地べたに横になっているギルがいた。


「何してんのお前?」


 あまりの光景に張り詰めていた糸が急に緩んだ。何してるのこの人。あれ? 犬がお腹見せて横たわって攻撃の意思は無いって伝えるやつ?


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