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蒼銀の竜契約者  作者: 深田風介
緋銀
160/187

相変わらずの音波

「本当にずっと監視してるんだな」

「当たり前。趣味と実益を兼ねた監視」

「兼ねるな仕事に集中しろ」

「ソーマの日焼けエロい」

「おい」


 いつも通りの音波である意味安心するわ。ある意味な。


「それは置いておいて、私は今大変な危機に直面している」

「どうした!? マテリア王国について何か分かったか!?」

「妹キャラが奪われそう。あのミーアとかいう女に」

「お前本当いい加減にしろよ」


 ガチな危機かと思ったのに。すごく深刻そうな顔で言うから騙された。


「これはとっても深刻な問題。ソーマの弟子だなんて。いやらしい」

「いやらしくはないだろ! つかお前妹扱いされるの嫌がってたじゃないか。むしろ好都合なんじゃないのか?」

「それとこれとはまた別問題。お株を奪われるのは気に入らない」

「わがままだなぁ」 


 何を張り合ってるんだこいつは。ミーアと音波じゃ過ごした時間が違うんだから何も心配する必要ないだろ。って思ってるけど言うと調子乗ってウザくなるから言わない。


「まあそれもいいとして。マテリア王国の方は特に動き無し。沈黙を守ってる。中で何をしているか皆目見当がつかない。夜霧も動きあぐねている。幹部を投入しようにもあまりにも得体が知れないから幹部を失う可能性がある。それだけは避けたい」


 これは当分先まで動きが無さそうだな。マテリア王国の守秘性は相当堅固なようだ。

  

「音波。ちょっと聞きたいんだけど、メイルの行方は夜霧で追ってないのか?」

「もちろんメイルについての情報はある。大分前にマテリア王国の王城上空で目撃された。ただそれ以降目撃されていない。そのまま鎖国状態に突入したから十中八九マテリア王国内にいる」

「そうか……」


 予想していなかったわけじゃないけど、合流できたらどれだけ心強かったことか。その可能性が無くなってしまったのは正直ショックだった。


「マテリア王国が尻尾を出さない限り進展は無さそう。かなり厳しい状況にある」

「夜霧はギルバート復活や、グレン王国に持ちかけた交渉についてはどう見てるんだ?」

「失われし竜魔法、禁術、呪術の類と推測している。概ねソーマたちの見解と同じ。交渉については手の出しようが無かった。あの黒霧、相当厄介。隠密魔法が強制解除されて偵察どころじゃなくなった。私は咄嗟にアナログな方法で身を隠すことができたけれど。あの黒霧が断続的にマテリアを覆うせいで調査が進まない」


 あの黒霧に触れた途端、身体の動きが極端に鈍った。まさか竜魔法を打ち消す効果もあっただなんて。俺は浄化魔法で何とか凌げたけど、それはシルバの力あってこそ。よっぽどの実力者じゃない限りあの黒霧を浴びた瞬間に戦闘不能になるだろう。

 余計に自分の中に芽生えた欲求が高まる。

 ユキトにも黙ってやろうとしていた作戦。第三勢力である夜霧、音波になら話してもいいかもしれない。むしろ話すべきだ。上手くいけば協力を得られるかもしれない。


「音波。俺の竜魔法ならあの黒霧を無効化できる。それもあって、ちょっと考えてたことがあるんだ。俺、マテリア王国に単独で潜入してみようと思ってる」


 俺に何ができるのか。考え続けた結果がこれだ。夜霧でも手が出せないなら俺が行くしかないだろう。

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