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 おじさんは腕時計を見やってから、

「トイレに行ってくるね」

 と立ちあがった。

「いっトイレ!」

 とは言わずに、

「あ、そうですか」

 とだけ答えた。おじさんがいない間にまた英語の長文と格闘する。おじさんのおかげかどうかはわからないが、なかなかはかどっている。できれば今日中に終わらせたいな、この問題集。

 そう思っていると、おじさんが帰ってきた。(どうやら小のようだった。)そして、藪から棒にこんなことを言い出した。

「おじさんは昔はね……高校生だったんだよ」

「そんなの当たり前でしょ!」

 そんな無意味な突っ込みはしない。俺は非生産的なことはしないのである。

「へぇ、そうなんですか」

「おじさんは昔は剣道に空手をやっていたんだよ。だけど、どっちもうまくいかなくてね。クラブはバスケ部だったよ。毎日毎日走らされっぱなしだったなあ。……ところで、君は何のクラブに入っているんだい?」

 クラブという言い方が、時代を感じさせる。俺たちは基本的に部活と呼ぶが、昭和の学生だった大人たちは、クラブと呼ぶのだ。親も先生も皆そうである。不思議だなあ。

 俺はヴァイオリンケースを見せながら、

「弦楽合奏部で、ヴァイオリンをやってます。あと、一応将棋部長でもあるんですけど……まあ、下手の横好き程度の嗜みで」

「へぇ。おじさんも昔ヴァイオリンを三ヶ月やったけど、全然弾けなかったなあ。おじさんが昔できたのは……」

 おじさんが自慢話をしだした。

設問8:おじさんの自慢の内容とは?

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