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おじさんの忠告……。

 まあ、確かに年長者には亀の甲より年の……ってやつがあるから、聞いてみて損はないと思うけど、何となく嫌な感じがする。でも、すごく気になる。

 そう思っていると、おじさんは意外なところから切り出した。

「君には、友達はいるかい?」

「はい、そりゃいますけど……」

「その友達には何でも言えるかい? 思いの丈をぶつけ合うことができるような仲かい?」

 はあ? と訊き返したいのを我慢して、

「まあ、いっつもくだらないことで論争する仲のやつらばっかですけど……」

「別に大したことはないんだけど、友達を選べということだ。朱に交われば赤くなるとも言うだろう? 高校生の君は人生これからだ。良い友達を持てば良い人生が送れるというのは、僕がわざわざ言うまでもないだろう……」

 まるでおじさん自身は何か失敗したことがあるような物言い。だが、「おじさんは過去に友達選びで失敗したんですか?」とは、あまりにも恐ろしくて訊けるわけがなかった。

 その代わり……ではないが、俺ははっきりと言い切った。

「おじさん、大丈夫です。俺は人を見る目があると自負していますし、どんな人に対しても物怖じせずに自分の意見を貫き通す頑固者ですから」

 おじさんは「そうかい……」と呟きながら、ほんの少しだけ笑った。だが、その表情にはやつれた様子があったと思う。そんなおじさんは少し年取ったように見えた。こんな短時間でシワが増えるわけがないのに。

 それからも俺とおじさんは取り留めもない話をしながら、英語の問題を協同で解くのだった。

 すると、意外と時がたつのは早く、窓の外はだいぶ暗くなっていた。



設問7:おじさんの次の行動を想像せよ。

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