表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/10

「あのー、ここってこんな感じじゃないッスかねぇ?」

「いや、おじさんはこうだと思うんだけどなあ」

「でも、文脈から言ってこんなんじゃないかと思うんッスけどね」

「そうかな……」

 腑に落ちない顔をしているおじさんに、俺はどうしても気になることを訊かずにはいられなかった。

「これなんです?」

「あ、これは今話題の……」

 と言って、カバーを取ってくれた。

「レ・ミゼラブル! あ、これ映画化されたやつですよね! ヴィクトル・ユーゴーの傑作の!」

「そうだよ。あ、これはちなみに第三巻ね」

「読んだことはないんですけど、どうしようもなく救われない的な話ッスよね。ああ、映画みたいなあ」

 するとおじさんは急に顔色を変えて、

「あれはダメだ」

「そうなんですか?」

 おじさんによると、カットが多いから原作を読んだ方が良いらしい。俺はそんなこと考えずにただ観たいと思っていたのだが、そう言われるとその気も失せる。思わぬ収穫である。ま、偶然の産物と言ったところか。おかげで貴重なお小遣いを無駄に使わなくて済んだ。

 それからおじさんと読書について語り合い、時は流れていき……。

「ねぇ、何か飲む? おじさんがオゴるよ?」


設問5:俺の対応を予想せよ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ