表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/10

男はごく普通の男で、顔に特筆すべきところはなかった。身長は俺よりやや背が高い約百七十センチメートルくらい。白髪はまったくなく、髪の量も衰えていない。また、痩せているものの引き締まった体には筋肉も結構ありそうだ。中年の割にはスタイルが良い方だろう。さらに、ベージュのコートを羽織り煙草をふかす姿は、少しかっこいい気がする。

「何読んでるの?」

 イヤホンを外した俺に、男は年の割にくだけた感じで訊いてきた。

「英語の長文です。学校の宿題で……」

「そうなの。ちょっと読んでも良い?」

「あ、どうぞ」

「こう見えてもおじさん、英語は得意なんだよ」

 おじさんが英文をお読みになっている間に、左のテーブルをちらりと見やる。

 ホットコーヒーとカバーがかかった分厚い本……。どうやら、スポーツ新聞を広げる、競馬や競艇が好きなおじさんではないようだ。

 それにしてもあの本は何なんだ?

 目線を自分のテーブルに戻すと、おじさんが勝手に問題を解き始めていた。

「ちょっと書くモノはある?」

 う、まずい。解答を直接書きこむ気だ。というか俺の問題だよ!

 しかし、年長者はリスペクトしなくてはいけない。

「あ、ありますよ……」

 と鉛筆を渡した。

「ええと、ここは……」

 意外とおじさん字が汚ねぇ!

 俺は叫びそうだったが、それを何とかこらえた。


設問4:おじさんの持っていた本を当てよ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ