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猫耳少女と誕生日(遊燐花 かゆの誕生日記念)

作者: 虚鋼 ニケ
掲載日:2026/07/07

「みんな~!早く早く~!」

「もぉ~かゆ。別に急がなくても夜空は逃げないよ?」


日が沈み、ちらほらと星が見え始める時間。狭間学園ゲーム部の面々は丘に登っていた。


「重そうですけれど、大丈夫かしら?」

「ギル君。ちょっと持とうか?」

「ぜぇ…はぁ…大丈夫…ッス。これぐらい持てなきゃ、男が廃るッス~!」


背中に大きなリュックサックを背負ったギルが息を切らしながら登っているのをゼロとアルフアとオメガが心配そうに見守っていた。ゼロとアルフアは手ぶらだが、オメガは手元に五段ほど重なっている箱を持っている。


丘の上は広く、上を見上げれば見渡す限りの星空が広がっていた。


「かゆ。ちょっと準備するから少しの間離れていてくれる?」

「え~?仲間外れ~。」

「ちょっとしたサプライズをするの!だからこっそり見に来たらダメだからね!」

「そう言われると気になっちゃうな~。どうしようかな~?」

「絶対に!ダメだからね!」


れいに念押しされてかゆは近くの見晴台に来た。手頃な手すりに寄りかかって空を見上げる。


「ふぅ~。誕生日かぁ~。」


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「誕生日が分からないじゃと?」


老人に誕生日について聞かれた為、「分からない。」と回答して帰って来た言葉。老人は少し考えてからこう言った。


「だったら今日を誕生日とすればいい。ちょうど縁起も良さそうじゃ。」

「?どういう事?」

「とある場所ではな、今日は『七夕』と呼ばれる日だそうじゃ。星空に流れる川に橋が架かり、恋人たちが唯一会える日らしい。その奇跡にあやかって、願い事を書いた短冊を竹に吊るして星空に願う。すると願いが叶うという言い伝えじゃ。」

「私も願ったら叶う?」

「う~む。残念じゃがここらでは星空に川が流れておらんからのぉ。もしかしたら将来川が流れる星空を見る機会があるかもしれん。その時に願ってみれば叶うかもしれんのぉ。それに今日は『7月7日』。7という数字はまた縁起がよくての、幸運を呼ぶ数字と言われているらしい。どうじゃ?」

「難しい事は良く分からないけど、それでいいかな。」

「なら決まりじゃ!今日はお祝いするぞ!」


そう言った老人は持てる力を使って、かゆに精一杯のお祝いをしてくれたのであった。


-------------------------------------------------------------------------------------


「あれからずっと、今日を誕生日と認識していたけど、師匠の言っていた事は本当だったんだね。」


今見ている星空には大きな川が流れている。俗に言う『天の川』が。


天の川を見ていたかゆはふと思い立って手すりから離れる。両手を合わせて願うポーズをとり目を閉じた。


(私がいつまでこのままでいられるかは分からない。それでも、もし願うのなら。

『出来る限り長く、皆と一緒に居られますように。』)


「…なーんてね。」

「何を願いましたの?」

「うわぁ!!びっくりしたぁ!!」


いつの間にか真横に居たゼロに声をかけられたかゆは飛び跳ねた。そんな姿を見てゼロはくすくすと笑う。


「ごめんなさい。かゆがあまりにも熱心に願っているように見えたから。準備が出来たから呼んで来てと、れいに頼まれましたの。行きますわよ。」


かゆとゼロが戻ったそこにはピクニックシートが引かれ、そのそばには竹が刺さっていた。その竹には既に何枚かの短冊が飾られているようだ。


「お帰りかゆ。はいこれ、かゆの分の短冊。好きな願い事を書いて竹に吊るして。」

「おぉ~!これが!じゃあ早速書いておこうかな。」


かゆは素早く書くとそのまま竹に吊るした。短冊に書かれていたのは『いっぱいお団子を食べられますように』というお願いだった。


「なんというか、忠実だね。」

「食欲は大事だよね!」

「そんな願い事を叶えるべく、オメガ君!」

「あぁ。」


オメガは持ってきていた箱を開けると箱一面に団子が詰まっていた。あんこやみたらし、ずんだとゴマ、最後の一つには三色だんごが入っていた。


「すごーい!!お団子がいっぱいだ~!!」

「オメガ君と一緒に買ってきたの。いっぱい食べてね~。」

「お店を探すのには苦労した。」


アルフアとオメガが話す後ろで、れいがギルの持っていたリュックサックから何か取り出していた。


「お団子を食べるならってお茶を持ってきたよ。いくら夏だからって夜は少し冷えるしね。」

「その他諸々、便利品もあるッス。この重さだから困る事は無いはずッス。」


皆それぞれがかゆの事を思ってこの場を用意してくれたのだと分かる準備の良さだった。その思いを感じて自然と笑みがこぼれる。


「かゆ。誕生日おめでとう。」

「「「「おめでとう!」」」ッス!」


皆の笑顔にしっかり笑顔を返して


「皆、ありがとう!!」


星空を見上げ、団子を咥える。楽しい誕生日を皆と共に過ごしていくかゆであった。

かゆは元々拾い子の為、正確な誕生日は不明です。

縁起がいい為7月7日が誕生日になっています。

そういう理由でかゆに好きな数字は?と聞くと7と答えます。

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