9話
1. 敵国との交渉、始まる前から負けてる
「王国は、魔鉱石の採掘権を放棄せよ。さもなくば、戦争だ」
敵国・ザルド帝国の使者が言った。
王国側の交渉官は沈黙。
魔鉱石は軍事・魔術・経済の要。譲れば滅ぶ。
でも、交渉の場はすでに“言葉の戦場”だった。
「なら、俺が出ます」
俺は言った。
社畜時代、クライアントとの地獄交渉を100件以上こなしてきた。
そのスキルが、今ここで火を吹く。
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2. ロジカル会話術、発動
俺は、以下の技術を使った。
• 論点の明確化:「採掘権の放棄」と「戦争の回避」を分離して議論
• 前提の崩し:「戦争になる」という脅しの根拠を問い直す
• 選択肢の提示:「共同採掘」「技術提供」「第三国監視」など、代替案を並べる
• 詭弁の回避:「感情論」「権威主義」「脅迫構文」を論理で無効化
「あなた方の主張は、“戦争すれば勝てる”という前提に立っています。
でも、王国軍の兵站は再構築済み。
魔術師ギルドはQRコード魔法で即応可能。
さらに、炭酸撹乱戦術で前衛の突破率は1.4倍。
……本当に勝てますか?」
敵国使者は、黙った。
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3. 言葉だけで戦争を止めてみた件
「我が国は、共同採掘案を検討する用意がある」
敵国使者が言った。
交渉は、王国側の完全勝利。
剣も魔法も使わず、言葉だけで戦争を止めた。
「……お前、何者だ?」
「ただの社畜です。
でも、ロジカル会話だけは、誰にも負けません」
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4. 俺TUEEE、外交も制圧する
翌週、王国はザルド帝国との共同採掘条約を締結。
俺は“外交顧問”として王国の戦略会議に常任出席することになった。
「言葉だけで戦争を止めた男」
そう呼ばれ始めた俺は、異世界の外交構造に食い込んだ。
——ロジカル会話術は、剣よりも鋭く、魔法よりも冷静だった。




