2話
1. 軍の倉庫、カオスすぎる
「この国の軍、兵站が崩壊してますね」
俺は言った。
召喚されて3日目。王都の軍部に“補佐官”として配属された俺は、まず倉庫を見た。
「剣が足りない?いや、あるけど見つからない?
ポーションが腐ってる?在庫が不明?
……これ、Excelで管理すれば一発です」
「エクセル?」
副官が眉をひそめる。
「この世界にない概念です。
でも、俺の脳内には、関数とピボットテーブルがある」
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2. Excel脳で兵站を再構築
俺は、紙とペンで“Excel風の在庫管理表”を作った。
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部隊名|剣|盾|ポーション|備考
第1部隊|12|8|5|ポーション不足
第2部隊|20|15|2|剣過剰
第3部隊|0|5|10|剣欠品
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「これを毎日更新して、関数で自動集計すれば、
どの部隊に何を補充すべきか一目瞭然です」
「……関数?」
「例えば、“=SUM(B2:B4)”で剣の総数が出ます。
“=IF(C2<5,”不足“,”OK”)”で、盾の在庫判定もできます」
「……魔法か?」
「違います。Excelです。
でも、魔法より便利です」
副官は、俺の“紙Excel”を見て震えていた。
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3. ピボットテーブルで士気分析
「兵士の士気も、アンケートで数値化できます」
俺は、兵士たちに“5段階評価”の紙を配った。
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質問:現在の士気は?(1=最低、5=最高)
→ 回収後、集計してピボットテーブル風に分類。
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「第1部隊は平均3.2、第2部隊は4.5、第3部隊は2.1。
第3部隊は物資不足と士気低下が連動してますね」
「……お前、何者だ?」
「ただの社畜です。
でも、Excelだけは、誰にも負けません」
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4. 俺TUEEEの第一歩
翌週、軍の物資ロスは30%減少。
士気は平均0.8ポイント上昇。
王国軍は、“戦わない補佐官”を正式に“軍師”として任命した。
「魔法も剣も使えないのに、軍を変えた男」
そう呼ばれ始めた俺は、異世界での第一歩を踏み出した。
——Excelは、異世界でも最強だった。




