10話
1. 王国財政、崩壊寸前
「今年度の予算案、赤字が1億ゴルドを超えました」
財務卿が言った。
王国会議は沈黙。
軍事費、魔術研究費、農業補助金、貴族への支出——全部が膨らみすぎていた。
「予算案、俺にください。Excelで再編します」
俺は言った。
社畜時代、年間予算100件以上をExcelで捌いてきた。
そのスキルが、今ここで火を吹く。
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2. Excelで予算を“見える化”してみた件
俺は、王国の予算案を以下のように整理した。
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項目|予算額|実績|差分|備考
軍事費|3,000万|2,200万|▲800万|兵站最適化済
魔術研究|2,500万|1,900万|▲600万|QR魔法導入済
農業補助|1,800万|2,100万|+300万|成果連動型に変更予定
貴族支出|2,000万|2,000万|±0|削減余地あり
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「この表を関数で自動集計すれば、
“どこに無駄があるか”が一目でわかります」
「……関数?」
「=SUM(B2:B5)で総予算、=B2-C2で差分、
=IF(D2<0,”削減候補”,”維持”)で判定できます」
「……魔法か?」
「違います。Excelです。
でも、魔法より正確です」
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3. 財務分析で“予算の再配分”を提案
「軍事費は、炭酸撹乱戦術で戦力効率が上がったので、20%削減可能です」
「魔術研究費は、QRコード魔法の民間転用で収益化できます」
「農業補助金は、“成果連動型”に切り替えれば、支出効率が改善します」
「貴族支出は、“公開型予算審査”を導入すれば、無駄が可視化されます」
「……お前、何者だ?」
「ただの社畜です。
でも、Excelだけは、誰にも負けません」
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4. 俺TUEEE、国家運営に食い込む
翌月、王国は“予算再編案”を採用。
赤字は半減。財政は安定化。
俺は“国家財務顧問”として、王国の予算編成に常任出席することになった。
「Excelで国家を救った男」
そう呼ばれ始めた俺は、異世界の国家運営に食い込んだ。
——Excelは、剣よりも鋭く、税よりも強力だった。




