1話
俺は、ただの社畜だった。
朝9時から夜23時まで、ExcelとPowerPointに人生を捧げていた。
恋愛経験ゼロ。筋力ゼロ。魔力?もちろんゼロ。
でも、関数とピボットテーブルだけは、誰にも負けなかった。
そんな俺が、ある日突然、異世界に召喚された。
「勇者よ、魔王を倒してくれ!」
……いや、無理だろ。
俺、剣も魔法も使えないんだけど。
でも、俺には“現代知識”がある。
マーケティング、統計、心理学、Excel、ロジカルシンキング、プレゼン術。
この世界にない“知識”で、俺は世界を攻略する。
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本編①:召喚されたけど、ステータスがバグってる
「ステータスを確認してくれ」
そう言われて、目の前に浮かんだのは、RPG風のウィンドウ。
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名前:ユウト・ミナセ
職業:???(判定不能)
筋力:E 魔力:E 俊敏:E 魅力:D
特殊スキル:Excel(MAX)、PowerPoint(A)、マーケティング理論(A)、心理誘導(B)、ロジカル会話術(A)
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「……なんだこれは。スキル欄が全部、意味不明だぞ」
召喚した王様が、眉をひそめる。
「この者、戦闘能力ゼロではないか。失敗か?」
「いえ、陛下。彼は“知識系スキル”に特化しているようです」
側近のメガネが言う。
「知識で、戦えるのか?」
——戦える。
むしろ、知識こそが最強だ。
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本編②:Excelで軍の兵站を最適化してみた
「この国の軍、兵站が崩壊してますね」
「なに?」
「物資の配分が属人的すぎる。
Excelで在庫管理表を作って、関数で自動計算すれば、
兵糧のロスは30%削減できます」
「……エクセル?」
「あと、兵士の士気データをアンケートで取って、
ピボットテーブルで分析すれば、
どの部隊が崩れやすいか予測できます」
「……ピボット?」
「さらに、魔法陣の代わりにQRコードを使えば、
誰でも魔法を発動できます。
スマホはないけど、視覚認識魔法で代用可能です」
「……お前、何者だ?」
「ただの社畜です。
でも、知識だけは、誰にも負けません」




