1章.8 涙の跡
本当にすいません!7話飛ばして8話上げちゃった!
7話を割り込み公開したので、先にそちらを!
ヘコむわあ…
解る。身体に得たスキルが。
解る。得たスキルの使い方が。
ひとまず試しに安全そうなスキルを試す。
「鑑定」
俺は得たスキルの一つ、鑑定を自分に試した。
【名前】 ウルド
【性別】 男
【種族】 エルフ族
【年齢】 10歳
【レベル】3
【スキル】弓術Lv3 剣術Lv1 風魔法Lv2 火魔法Lv1
水魔法Lv1 聖魔法Lv2 魔力操作Lv5
拳闘術Lv2 鑑定Lv2 精霊使いLv3
毒耐性Lv3 麻痺耐性Lv3 呪い耐性Lv2
調合Lv1 採取Lv3 解体Lv5 隠密Lv2
魔力探知Lv3
【称号】神童 女神の加護
レベルは恐らく狩りで上がったのだろう。
いや、そんな事よりだ。
えっ、スキル多くない?てか称号って何??
女神の加護って称号なの???
無尽蔵に湧く疑問を一旦スルーして目の前のステータス画面に集中する。
あ、これ称号も詳細見れるじゃん。
【女神の加護】
女神メシアの加護。各種経験値+50%
異常耐性+50% スキルの隠蔽が可能になる。
いや、女神様の加護凄すぎない?
それに冷静にスキルを確認すると薬物系スキルと耐性スキル多い。
恐らく前世の影響だろうな。
しかし、スキルを貰って悪いが薬なんて作らないし関わらないぞ。今の所は。
しかし、薬物系に女神様の名前がメシアって…
あの薬と同じ名前は偶然?それとも…
ひとまず女神の加護だけは隠しとくか。
鑑定も一応隠そう。それ以外は大丈夫、か?
これなら父さん母さんにスキルを聞いておくべきだったな。
頭の中で焦りながら考察していると、光が落ち着き出したのを見て里長が心配そうに声を掛けてきた。
「ウルド?大丈夫か?スキルはどうだ?鑑定をしても良いか?」
げっ…
里長は鑑定使えるのか。見られて困るのは隠したし大丈夫かな?覚悟を決めよう。
これ以上伸ばすとあらぬ疑いをかけられそうだ。
「は、はい。どうぞ…」
「では行くぞ。……なっ!?この年齢、このレベルでこんな!?これならモウラやリーリエよりも…………んなあっ!!??このスキルはまさか!!こ、これは……!!」
『化け物』
ふと、頭をその言葉がよぎる。
今生は旅をして、気ままに生きたい。
でも、同じぐらい今の両親が好きだ。里が好きだ。
みんな大好きだ。
そんな気持ちが溢れ、胸をぎゅっと締め付ける。
そんなみんなに前世の田舎の町の人のような目を向けられたら、俺は耐えられない。
ここでもまた、狩りに行けなくなるのかな。
やっと、新しい世界で大好きな家族が出来たのに。
やっと、居場所を見つけたのに。
そんな、みんなに化け物扱いされて里を出るのは嫌だ。
嫌だよ。
ギュッと裾を掴み、里長の次の言葉を待つ。
「ウルド、お前は………大樹様に愛されているな!精霊使いだ!精霊様達に認められたのだ!!凄いぞ!!早くお前の両親と里の皆に知らせてあげねばな!!」
里長が今まで見た事のない笑顔で俺を抱きしめる。
ああ、良かった。
俺、産まれてきて良かったんだ。
父さん母さんと一緒にいてもいいんだ。
ルルや里のみんなと一緒にいても、いいんだ。
安心して涙が溢れてくる。
「う、うわああああああああん!」
「ど、どうしたウルドよ!泣いてる暇はないぞ!?なんせ新たな精霊使いの誕生だ!!皆でお祝いだ!!」
里長が俺を抱きしめながら嬉しそうに困っている。俺はただ、止まらない涙を流し続けた。
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そこからは飲めや歌えやの大騒ぎだった。
戻ると、父さん母さんは泣いて抱きしめて喜んでくれた。
「貴方は本当に自慢の子よ、ウルド!」
「だから言っただろ!?この子は凄いってな!!」
「正直ただの親バカだと思ってたぜ!ハッハッハ!!しかし良い夜になったな!!」
ルシウスさんも凄い酔っ払ってる。
そろそろルルを抱いたルーセリアさんにブン殴られるぞ。
里のみんなが声を掛けてくれる。
みんな、自分の事の様に喜んでくれる。
ああ、本当に良い夜だよ。
「みんな、本当ありがとう!」
乾杯で一杯ワインを飲ませて貰ってから記憶がないけど、最高の宴だった。
ぐぅ。
あーあ
離れたくなくなっちゃうな
次回からはちょっと世界を広げます!