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1章.4 とあるエルフが父親になった話

今回パパ目線です。

意外と観てもらって嬉しいので、

明日の予定だったけど今日上げちゃいます!

観てくれた方、ありがとうございますー

「生まれたぞ!お前の子だ!モウラ!」


家の中から助産師をやってくれた里長の奥方が飛び出してきた。

里の皆に大母様と呼ばれている。


「大母様!ほ、本当ですか!そ、それで妻は!?子供は!?子供の性別はどちらで!!??」


「慌てるんじゃないよ!父親になるんだからしっかりしな!リーリエも子供も、……いや、お前の息子も元気一杯だよ!」


息子、息子か…!俺の息子だ。将来は国一番の弓使いになるぞ!

それにリーリエの血も受け継げば、国一番の魔導士にもなれるだろう!


そう心の中で叫びつつ、俺は母様と愛する妻と息子の元へ向かう。


エルフは子が出来にくい。子は宝だ、故に生まれると里全体で喜ぶ。


「宴だ!今日は宴だ!息子の誕生を祝うぞ!大母様!早く愛するリーリエと息子に会いに行こう!」


そうはしゃぎながら言うと大母様は呆れながら言った。


「嬉しいのは分かるが、いくら健康でも産まれたばかりなんだからね。少し落ち着きな!」


怒られてしまった。だけど少し冷静になれた。


そうだ、俺は父になるんだ。


これでは息子に笑われてしまうな。


「少しは落ち着いたかい?じゃあ、会いに行こうかね?パパ?」


大母様が揶揄う様に俺に笑いかける。


家に入ると泣き声が聞こえる。


ああ、息子だ。俺の息子の泣き声だ!


「……リーリエ、無事か?具合は?」


愛するリーリエを見てひとまず安心する。


「あなた、私は大丈夫よ。それよりもほら、男の子…貴方の息子よ!」


リーリエが抱きしめる存在に気付いた。


こんなに小さいのか…


頬を何か温かいのが伝う。


あれ?俺なんで泣いているんだ?

妻と息子の前で恥ずかしいぞ!


「ああ…!ああ!よくやった!リーリエ!息子よ!俺は、俺は!」


涙が止まらん。言葉が続かない。


「あらあら、パパ泣き虫さんになっちゃいましたね?それより、ほら!抱いてあげて下さい!」


そう微笑みながら優しく息子を渡してくる。


「あ、ああ!息子よ!ああ…可愛い!俺の息子だ!

名前はもう決めてあるぞ!お前はそう…狩猟の神にちなんで、ウルド、ウルドだ!良い名だろう!」


ウルドを抱いて名を告げると、キャッキャっと喜んでくれた。あ、また涙が止まらん。


「良い名前です!ほら、ウルドもこんなに嬉しそうよ?パパ!」


リーリエが嬉しそうに、そして涙を溢れさせる。


「絶対に、絶対に幸せにしてみせるぞ!愛するお前達!大好きだ!」


こんなに涙脆くなってしまったのか俺は。


しかし、涙は最後だ!ウルドに笑われてしまうからな!










その後に宴で友と一晩中泣き腫らしたのは妻と息子には一生の秘密にしよう。

やっと産まれた!

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