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哲学者の先輩とひねくれ者の僕  作者: 割戸面偉
2/2

さよなら先輩。


「お兄ちゃーん 今日入学式でしょー 早く起きないと遅刻するよー!

「ああ、今行くー」


せっかく夢がいいとこだったのに...

とはいえ、かなり時間がやばかったので

感謝しなくちゃなー


あっとご紹介が遅れた。

今僕を起こしてくれたのが

長浜香奈 14歳

僕の唯一の妹にして、

この世で最も可愛い生き物である。

ここで一つ断りを入れておくと、僕は断じてシスコンではない。ただ事実を述べたまでだ。

加えて、僕はどちらかと言えば年上の方が好きである。


そんな事を考えながら電車に乗っていると僕が今日から通う高校に着いた。

少し風の強い日で、高校の前に植えられている桜の木々が大きく揺れ、花びらが舞い世界が少し色づいて見えた。


「水泳部入りませんかー!」

「サッカー部のマネージャーやならない?」

「よかったら今日の放課後、美術部見学してくださーい」

高校の門をくぐると、先輩方が部活の勧誘している声が四方八方から聞こえた。


その中に1人見覚えのある笑みで部活の勧誘をしてる先輩がいた。

先輩は僕を見ると走ってどこかへ行った。


僕は直ぐに追いかけ

「先輩‼︎」と少し大きな声で言った。

先輩は振り向き

「だれ?」と言った。


一瞬、人違いかとも思ったが

僕があの笑顔を見間違える訳がない。

あの屈託のない笑みを。


「とぼけないでくださいよー」

と少し怒った顔で言うと。

「アハハー見つかっちゃったー」

と先輩は少し照れながら言った。


「あれ?でも僕が昔、『先輩の高校はどこですか?』って聞いた時『めっちゃ賢いとこ』って威張ってませんでしたってか?」

「この学校、県内でも中堅くらいですよ?」


また先輩は少し照れながら

「いやー実はちょっと見栄を張っちゃいましたーえへへへ」

と言った。


その後、先輩がどうしてそんな嘘をついたのかと問いただしてみてると先輩は恥ずかしそうに「だって、洋くんにあれだけ偉そうな事言ってたんだから頭良いと思われたいじゃない!」「まさかこんな1番恥ずかしい感じでバレるなんて思わなかったよー。えへへー」とあの先輩とは思えないほどなんとも間抜けな言い訳であった。


実は、先輩と同じ学校に行きたいと思って、中3からではあったが本気で勉強した僕は、元々がどアホだったせいでこの学校に来る事になったなんて口が裂けても言えない。

が、しかし、結果的に先輩と同じ学校に行く事になったんだ。結果オーライというやつだな!



結「洋くん部活決めてた?」

洋「いや、決めないですけど先輩は何部なんですか?」

結「よくぞ聞いてくれました!放課後、北館1階の空き教室に来てください!」

洋「あ、はい」

けど僕は何部ですかと聞いたのに質問に答えてもらっていない。まさか先輩は本当にバカなのか!?と心の中で思ったが口にはしなかった。


放課後、

言われたとおり空き教室に向かっていたら

後ろから

「あのーすみませーん。カフェテリア部の部室ってどこか知りませんか?」

と上目遣いで聞かれた

もちろん知らなかった。

が、その前にだ!

カフェテリア部ってなんだ?よくそんなふざけた部に申請がおりたのものだ。しかもこのあざとい女、入部しようとしているのか?

全く、この学校にはバカしかいないのか?

まー学校が始まってまだ初日だ、印象を良くするのも大事だと思ったので知り合いの先輩がいるから聞いてみると言って空き教室に

一緒に向かった。



洋「失礼しまーす」


結「ようこそ、カフェテリア部へー‼︎」

洋「...」


?「どうしてドアを閉めるんですか?」

洋「いやーまーあれだ。少し緊張してしまってなー」

?「そうですか!では入りましょう!」


いやいや、まさかあの先輩がそんなふざけた部にいる訳がない。きっと聞き間違いだ!

うん!聞き間違いに違いない!

もう一度入ってみたら絶対違う部だ!


そう言い聞かせ、もう一度入った。

洋「失礼しまーす」


結「ようこそカフェテリア部へー‼︎」

洋「...」


?「だから、なんで閉めるんですか?」

洋「あーいやーまーあれだ、手が、そう!手が勝手に動いちゃった感じだ!」

?「そうですか!では入りましょう!」


いやいやまさかなー

先輩の事だ、僕を少しからかっただけに違いない!本当は哲学部とかそんなんだ!

うん!先輩は哲学好きだからな!間違いない!


洋「失礼しまーす‼︎」


結「はい!ようこそカフェテリア部へー‼︎」


洋「...」

 「いやーもーからかわないでくださいよ」

結「え、何もからかってないけど」

洋「え、え、ここ何部ですか?」

結「え、だーかーらーカフェテリア部で す!」

洋「Oh〜Really?」

結「え、なんでんで急に英語⁉︎まーなにも嘘はついていません」

洋「あーそーですかー」

(だめだーやっぱこの先輩バカだったーー)



さらば、僕の理想の先輩...

さらば、僕の初恋の人...



結「ねぇ洋くん?ねぇ聞いてる?」

洋「あ、すみません。今別れを告げていました。なんか言いました?」

結「別れ?...」

 「まぁなんでもいいけどその後ろにいる子は誰?知り合い?」

洋「いや、知らない人ですけど」

?「あーー!自己紹介忘れてましたー!」

 「桐崎奈央です‼︎みんなからはナオナオって呼ばれてまーす!」

結「奈央ちゃんか、よろしくねー」

 「私はこの部の創設者にしてこの部の部 長!3年の小野寺結衣よ‼︎よろしくね!」

 「あと部員が2人いるんだけと今日、本当は部活ないから今はいないの」

 「いやー今年は2人も入ってくれるなんて先輩泣いちゃうほど嬉しいわ」


2人?...この場にいる部員でない者は僕とこの桐崎と名乗る女のみ...

待てよ?まさか僕も入る流れか!?

いや、確かに先輩と同じ部活に入ろうと思っていたが、こんなふざけた部に入るつもりはないぞ。

しかもさっき先輩、創設者とか言ってなかったか?いや言っていたな

創設者!?こんなふざけた部の!?

うわ、はっずー

...

え?え?まじで?僕はこの数年こんなふざけた人を尊敬して憧れていたというのか!?


あぁーもうなんか泣きたい....


正気を取り戻せ長浜洋よ!

このまま流されてこんな部に入ったら

きっとクラスで笑い者にされるぞ!

よし!明日の部活の時に正式にお断りしよう!

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