プロローグ(中半)
「どうやら中心の戦乱の領土からかなり離したようだな」
「はい、ここまで来ればもう大丈夫かなと……」
ローレイラが少し疲れているように見えたのでつい聞いてしまった。
「ローレイラ、大丈夫か?疲れてるように見えるのだが……」
「え?……あ、いえ。疲れてはいないです……」
「む……そうか、すまないな」
そんな感じをやり取りを続いていたら俺とローレイラは気配を察知した。そう、ここは森の中なのだ。西に行くとかえって森とかが無くひたすら広い草原でばれやすいとの事だったらしい。そう考えれば東の森に行った方が安全だと、ローレイラはそう言っていた。しかし、気配を察知したからにはもう既にこっちに来ている可能性は無いとは言えない。
「……どうやらこの気配、普通じゃないな。ローレイラ、気を付けるんだぞ」
「はい……」
小声でのやり取りを終え、静かに森の中へと更に進んでいく。俺の推測からすると、中心にいた筈の俺とローレイラが消えた事で双方の領主はかなり激怒をしている様子で追っている可能性も考えられる。となれば、逃げるのも時間の問題になるようだ。
「すまない、ローレイラ。追手の方が俺達よりもかなり速い感じで俺達を追いかけてきている。このまま逃げてても時間の問題かも知れない……」
「……そうですね」
どうやらローレイラも困り気味だった。まだ俺達と追手との距離は然程近くは無いのだが、殺気の視線を感じるくらいまでの気配は感じ始めていたのだった。要するに相当な速度で双方の領主が追い掛けている状態になる訳だ。
「……にしてもこの森かなり広大なのだな……。どこまで続くのだろうか……」
「……えぇ」
俺とローレイラはひたすら進んでいくが、木、木、木、どこまで言っても沢山の木と草原しか無いのだった。どうやらここは長い年月の間誰にでも手を付けられていないからであろうな。そんな事を考えていたら、やっとの思いで森を切り抜ける事が出来たのだが……。
「あれは……何だ?」
「何でしょうか……」
俺達が目にした光景は、恐らく廃墟であろうそれなりの立派な城に、綺麗な湖があるのだった。城に関しては割と最近手放された感じはするようだ。特に城からはいる気配は少なくとも感じない。先程森の中を進んでいた時の後ろからの気配は更に大きくに感じる。やはりこっちに来ているようだ。俺とローレイラの位置を間違いなく察知しているのは承知の上でもある。推測すればもう森の中に入っている頃だろう。
「……ローレイラ、湖付近に移動しよう」
「……分かりました」
そして俺達は湖付近に行ったのだが、どうやら双方の領主は俺達に追いついたようだ。
「ねえ、ダルロダス。いつまで逃げる気なのかしら?」
「……ほう、ローレイラ、貴様はどこに行こうと言うのかね?」
「……あ、ケーネイロさん……」
「……」
俺は黙って双方の領主を見たが天の領主の名は初耳だ。ケーネイロと言ったな。確かに領主と言うだけであっていかにも神そのもののような容姿をしているようだ。一方、俺の魔の領主の名はカリプルスである。こちらの領主はいかにも魔王の女バージョンと言っても良いだろう。かなり禍々しい雰囲気である。
「ねえ、ケーネイロ。この兵器達は戦いを拒んでいるようね」
「そうだな。貴様ら、兵器同士で決着を付けてくれないと私の領土か魔の領土かどっちが上かが分からぬな」
「……!」
俺はケーネイロの言葉に対して苛立ちした。
「はっ……、貴様ら如きに勝手に兵器同士で下らん戦いをさせてその結果だけを知ってどうするんだ?仮に結果を得たとしても何の意味も無いと思うんだが?」
「あら?ダルロダス。その口の聞いた言葉はどこから出るのかしら?」
「っ……!」
「ふふっ、油断しない事ね」
どうやら俺の言葉にカリプルスが気に食わないように隙を狙っていたようだ。俺は今、完全に油断していた形に近く、肩に少しカリプルスの魔剣が刺さってて少し血が流れているのに気付いた。俺は咄嗟にバックジャンプをした。即座に傷口に止血魔法を掛けた。魔剣って地味に痛いな。ローレイラは少し怯えている状態に近かったが、どこか心中で決心をしていたのか深呼吸をして、俺に話し掛けてきた。
「……ダルロダスさん。一緒に協力して双方の領主さんを倒しましょう!」
「あぁ、そうだな。この戦いを終わらして、……双方の領主の戦争を終わらせるぞおおお!」
「何だ!?この底から響く魔力は……!ダルロダス!貴様か!」
「……ふふ、やっとダルロダスが本気を出したのね。でも勘違いはしないでおいた方が良いわよ。所詮は兵器にしか過ぎないのだから」
「はぁぁぁぁぁ!」
「ローレイラが本気を出しただと!?」
俺とローレイラは最大限の魔力と天力を出した。そう、今までに無い極限を超えた力を。
「早速だが最初で終わらせて貰うぞ!ケーネイロ!許されざる一撃を喰らえぇぇぇ!!!」
死ぬ覚悟でケーネイロに向けて俺の魔槍を今までにない威力で殴るようにして目掛けた。がしかしケーネイロは咄嗟に弓でガードされ、受け止められてしまったようだ。
「ふっ……、流石魔の兵器と言われるだけであって強いな。遅い!」
「しまっ……!」
俺は咄嗟にバックジャンプで下がったが、ケーネイロが放った天の矢は追尾タイプらしく俺の腹に見事クリーンヒットしてしまい、幸い貫通は免れたものの、腹から鮮血が出ている事に気付き、止血魔法を掛けたのだが流石にここまで傷が酷いと少しきついようだ。
「……!ダルロダスさん!きゃっ!?」
俺が腹から血が出ているのをローレイラは気付いたのだが、カリプルスと戦っていた為、危うく魔剣を喰らう寸前だったようだ。そして双方の領主が俺を見ている。どうやら俺を先に倒す気でいるようだ。こうなれば使いたくはなかったのだが、その時が来てしまったようだ。
「……あぁ。ローレイラ、1つ聞いても良いか?」
「……はい、何でしょうか?」
「双方の領主を倒してしまっても構わんのだろう?」
「……えぇ、ここまで来てしまったらもう戻れませんから。……そうですね」
そんなやり取りをしていると双方の領主は突如嘲笑した。
「くはは!愚かな双方の兵器よ。未だ足掻こうとしても遅い!」
「ふふふ、そうよ。いくらやっても貴方達が兵器である以上、無駄なのだから」
そんな嘲笑して軽蔑している双方の領主に俺はこう言った。
「……そうか。確かに立場や力関係で言えば双方の領主などに越えられる訳は無い。でもな、俺は気付いたんだ。その先は何かを、そしてその果てに何を得たのかをな!!」
「!?」
俺は今まで漆黒の片翼で戦っていたのだが、最後の力を振り絞り、もう片方の漆黒の翼を出し、遂に両方の翼を現した俺は結界を張るために更に魔力を極限に引き出す。
「……俺の体は……、魔槍で出来ている。
血潮は絆だが、心は怒り……。
幾度の戦争を越えて無敗……。
ただの一度の敗北は無く……。
ただの一度も和解されない……。
彼の者は常に独り、魔槍の丘で悔しみに恨む……。
故に、その生涯に無意味であり……、
その体は……、きっと魔槍で出来ていた!」
そう告げて俺は魔槍を地面に思いっきり刺し、結界を発動させた。