悪魔
乾燥・感想下さい
彼女の顔を見た瞬間
僕の意識が少し遠のいた気がした
きっとコンクリに尻をぶつけたんじゃなく
自分の頭をぶつけ、それから勝手な夢の世界に自分が来てしまったのだと思った
「お、降ろして下さい」そう心の中で言い聞かせながらも焦りながら僕は彼女に訴えった
彼女は少し不貞腐れて『命の恩人に最初に放つ言葉か?』と背中の蝙蝠の羽を靡かせて
僕を睨んだ「え!?」見つめた緑の瞳に吸い込まれそうになった
僕は近くの公園に引きずられるように降ろされた
其処で僕を突き落とすように落とした彼女も足を置いた
僕は公園に降りた瞬間、自分の頬自分で抓った
これは夢ではないと認識した
そんな僕を見ていた彼女は僕に珍しそうに言葉を掛けてきた
『人間は空を飛べないのか?』━人間?━尻もちを着いてる僕を
見下すように見ている彼女の顔を見た後ろで寂しく外灯だけが光っている
その外灯の前にはさっきまで風に靡いていた蝙蝠の様な羽がピンと張っていた
その瞬間、『おい、尋問に答えろ』彼女の口元から言葉が発せられた
僕はビビりながらも「君は・・・何者なの?」と答えた
次の瞬間、彼女は啖呵を切ったように僕に近づいてくる
僕はコンクリに掌をついて彼女に背を向けて急いで逃げ出した
━来る━後ろを振り返るともう既に遅かった
飛んでいる彼女に襟足を掴まれ殺されると思った瞬間
『私は危害は加えない』と僕に低い声で小さく言った
僕は我に返り心を落ち着かせながらも「わ、分かったから・・・手をお放し下さい」
と拝むように頼んだ・・・そんな僕を見てゆっくり僕から手を放し
『私は魔界からこの世に降り立った悪魔だ人間の欲望を餌とする生物だ』
と僕に話始めた僕は最初この人は何を言っているのか理解できずにいた
けれど、証拠は幾つもあった
まず、彼女は空を飛んで僕を助けた
そして、『人間は空を飛べないのか?』と言う彼女の発言
僕は次の瞬間馬鹿でも走り出し逃げ出した
結局、あえ無く捕獲された「あのー家に帰してください」
僕は泣く泣く僕の腕を掴んでいる彼女に頼んだ
『いいだろう』彼女は僕の背中を抱き上げ夜風にふわっと羽を靡かせ
抵抗している僕を宙に浮かせた見上げる夜景はとっても奇麗で何時落とされても可笑しくない僕は
そのまま帰れなくなったらこれが最期だと考えていた
そんな僕の気もお構いなく『お前の家は何処だ?』と飛んでいる彼女は僕に聞いてきた
近所の家を指して「其処です」と僕は答えた彼女は家の近くの外灯の付近に僕を下ろした
僕は頭を下げ逃げるようにその場を後にした走った瞬間腰に鈍痛が走った
それでも逃げたこれ以上彼女に付き合っていたら確実に殺されるだろう
後ろから『待て』の声がした振り向くと其処に遠ざかる彼女が居た
良かった追ってこない暫くして歩きだした僕は呼吸を落ち着かせながらあれは無かったことにしよう
と何度も頭の中で言い聞かせた
そうただ単に事故にあった其処で現実じゃない悪夢を見たそんな事を考えているうちに
家に着いたポストの中から鍵を取り出し家に入った