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~世界でただ一つの魔法装身具おつくり致します。~ (3)

なにはともあれ、ダーリの店がそこに在りいつ空いているのかわからないものの、確かに開店しているのは確かであるので来る客は来る。


客同士でネットワークがあるのか、開店している間は数珠つなぎのように客がやってくる場合もある。だがたいていは、オーダー注文の商品をとりに来る客が大半を占めるため、工房に並べられた商品をじっくり吟味するタイプのものは少ない。そのおかげで、店の滞在時間は非常に少なく、「コミュニケーションが大の苦手」なダーリにとっては非常にありがたく、快適な職場となった。


そう。


何を隠そうダーリはコミュニケーションが大の苦手なのである。


出来れば人と関わらずにひっそりと工房で商品だけを作り続け、欲しい人が勝手に購入して自動的にお金が入ってくればいいと思ってさえいる。


ダーリは創りたいものを作れればそれで満足だったし、それでいいとさえ思っていたのである。


しかしそれでは人間的な成長も、職人としての成長も見込めないと心配したダーリの師匠が、ダーリに店を回転させ自分で製作し、販売することを強く勧めたのである。



ダーリの仕事も技術も素晴らしいが、人間味のない商品が売れ続けることはないし、人を助けたり希望を持たせることもないだろう。師匠はそう考え、ダーリを崖から突き落とした――――と、当人は感じている。


人を見れば逃げだしたいくらいの衝動に駆られるダーリは、そのためぶっきらぼうで愛想がなく、偏屈だと思われがちで、一生懸命頭をフル回転させてしゃべるためほぼ無口である。通常の会話が成り立つ相手の方が珍しく、初見の客はまずもってダーリのその容貌と雰囲気のギャップに驚くのだ。







ダーリは美しく、その瞳は深淵の淵に光を差し込ませるように鮮やかでかつ、透明な泉のように静かだった。


そう。


ダーリは女性の魔法装身具職人なのだ―――。

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