~世界でただ一つの魔法装身具おつくり致します。~
――――これは、無限ダンジョン「エスタリーク」に隣接する、最後の都市ミエルダ・バークレイに住まう一人の魔法装身具職人の物語である。
最後の最後のダンジョン。
通称、無限ダンジョンと称される「エスタリークダンジョン」。
最下層は何深層で、最終層にどのような敵が待ち構えているのか。それを知るものはいない、かもしれない。
ともあれ、最後のダンジョンであるエスタリークに隣接する最後の都市「ミエルダ・バークレイ」は過酷な旅を続けてきた勇者たちや、ダンジョンでアイテムドロップを専業に行う商人。ならず者や人ではないものが多くひしめきながら、非常に活気ある様相である。
いい話も悪い話も日がな一日街のあちこちで聞こえ広がるこのバークレイには、それこそ勇者の数より数百倍の様々な仕事を生業にする者たちが存在し、ラスボスそっちのけでダンジョン攻略に燃える冒険者たちの下支えをしているわけである。
曰く―――。
武器商人、職人。甲冑職人、刀砥ぎ師。魔法調合屋、薬草販売商人。怪しい街角の占いババアの占いはよく当たり、有名ギルド隣接の呪い師の守護魔法程あてにならないものはない。盗品を扱う業者もあれば、ダンジョンで≪行方不明≫になった冒険者たちがかつて持っていたであろう武具や装飾品を専売する特殊なものまで様々だ。
裏の王都と称されるほど賑わいも活気も豊かなこの街ではそれこそ、王の都以上に経済が潤沢である。
緑も水も豊富にあり、土地の実りも豊かで多少は≪普通≫の人間も楚々とした生活をしている、が。
なんといってもミエルダ・バークレイの住人である。
そんじょそこらの農民や村人、町人よりはよほどしっかりしているし、たいていの山賊や盗賊は「裸足で逃げ出す」レベルである。
とにかく、ミエルダ・バークレイに住むというだけはあるということなのだ。
さて、この商業都市としての側面を持つ町の、さらにまた商売の激戦区。通称「最後の砦」には宿波から坂場。歓楽街から爪の先から髪の毛まで何でも集まる商人たちの店舗居住区がある。大型の大陸チェーンの有名店から、小売り専業の小さなお店。特殊な道具や物品のみを扱う怪しい店から、呪い武具専用の店舗まで様々だ。
ここは文字通り、「最後の砦」。
一度入ったら出るのが困難だと称される、最後のダンジョン「エスタリークダンジョン」への備えを行う最後の休憩地なのである。
「ダーリの魔法装身具店」の執筆エピソードや裏話。
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