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~世界でただ一つの魔法装身具おつくり致します。~ (18)



「お。あったあった」


あらゆるものを棚から放り投げ終わったダーリは、目当てのものを発見してほくそ笑んだ。


それはこぶし大の鉱石でキラキラと虹色に輝く幻想的な石だった。深海の藍と天空の蒼がさざ波のように内側で光彩を放っている。


「おい。あったぞ。見つけた」


ダーリは振り返って客人に声をかけた。


「うわっ。な、なんだよ!」


白いレースの「ソレ」に伸び欠けていた指先をそっと握り戻してエルジャは何もなかったかのようなそぶりでダーリが差し出した何かを視界にとらえた。


開け放たれたままの窓から差し込む夕陽に照らされて、鉱石はより一層輝きを増す。


エルジャは魔力を内包したその鉱石に引き込まれるように無意識に指を伸ばしていた。


ダーリは何も言わず、ただ沈黙を守りながら様子を観察する。


エルジャは両手で恐る恐る石を手に取ると、その意外な軽さに目を見張った。果たして自分が手にしているのが鉱石なのかと疑うほどの軽さ。まるで羽毛でも持っているかのような重量なのに、しっかりと存在感と硬くひんやりとした石の触感がある。


手のひらの上で石が渦を巻いていた。


「・・・・・これは」


「夜鉱石だ」


エルジャがふと浮かんだ質問を投げかける前に、それを遮ってダーリが答える。


「正確には、海の底、大地と海の分かれ目の渓谷で採取された闇を照らす石。魔力を秘めた、水と夜に属し、光を放つ魔鉱石だ」


「夜鉱石・・・・」


エルジャはじっと石に視線を注ぎこんだ。体中のすべてが湧きたつような喜びに満たされながら、心の一部が切り取られ炎で焼かれるような熱がうずいて思わず胸を抑える。


「・・・・・・・・・。お前、ネイタム。これを探しにきたんだろう」


「―――――ッ」


エルジャ・ネイタムは泣いていた。


あどけない子どものように声を出して泣きはしなかったが、嗚咽を抑えるのが精いっぱいだった。


「焔と闇に蝕まれた終りの子―――。そうか、呪いは真実だったんだな」


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