最高のパートナー
一通り、ミロックの話をした。
りゅうは最後まで真剣な目で聞いてくれた。
「クルミルさんの話はよくわかりました。俺の意見としてなんですけど、なんかお付き?みたいなの作ればいいと思いますよ」
「…お付き?」
「そうです。王とかって側近がいますよね!あんな感じです。
1人誰かいるだけで負担はかなり減りますよ」
「じゃあ、りゅう。やってくれるか?」
りゅうはびっくりしていた。
それはそうだろう。かなり急な話だ。
「………一晩考えさせてくれませんか?」
そのあと、僕とりゅうは連絡先を交換して別れを告げた。
次の日、お父さんの状態が急変した。
ヒューヒューという息が抜ける音が喉のあたりから聞こえるらしく、病院に運ばれたようだ。
その時…僕は仕事をしていた。
ミロックはお父さんが築き上げてきた国、僕が壊してはいけない。
そう自分に言い聞かせた。
その時だった。
ドタドタと廊下を走る音がする。
うるさいなあ、もう少し静かにできないのか。
うんざりしていると、僕の部屋のドアが開いた。
「クルミル様!!!」
「…!?りゅう!!?どうしてここに…」
りゅうはズカズカと僕の方に歩み寄ったかと思いきや、思いっきり頬を叩いた。
「…ッ!?何をするんだ!?
ミロック王にこんなことをしていいとお「なんでこんなところにいるんですか!!?お父さんの命が危ないんでしょう!!?
なんで仕事なんかしてるんですか!!!??」
りゅうが大声で叫ぶ。
「大切な…家族なんでしょう?」
僕の頬に涙が伝った。
ミロックを壊してはいけない。
そればかりを考えていた。
「りゅう…ありがとう…目が覚めたよ」
僕がそう言うと、りゅうは笑った。
「ほら早く行きましょうクルミル様!病院の場所は聞いてきたから、俺が案内します!!」
幸いなことにお父さんは大事には至らなかった。
「お父さん…お父さん……」
僕は泣いた。お父さんの前で泣いた。
その様子をりゅうは黙って見ていた。
病院からの帰り道。
僕は泣きすぎて目が腫れていた。
「クルミル様は無理をしすぎですよ。俺の3つ年下なんでしょう?」
「3つ?そんなに離れているのか?」
「俺が高2、クルミル様は中1ですよね」
「そうだな…お母さんがいなくなってからは誕生日なんてあってないようなものだったからそのへんかな…」
僕は空を見上げた。
この空はお母さんに繋がっているのだろうか。
「ねえクルミル様」
りゅうは無邪気な笑顔をこちらに向けて言った。
「年の差コンビっていうのも、なかなかいいと思いません?」
その言葉を聞いて、僕もりゅうに負けないように笑って言った。
「そうだな」
こうして、りゅうは僕の最高のパートナーになった。




