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第24話『天空の誓い ―ふたりの約束―』



空は、静かに燃えていた。

蒼と金が溶け合うような空の海――その中心に浮かぶ古代の神殿。

そこが、ドラゴンの国の“心臓”と呼ばれる場所だった。


シルヴァとダーリンは、ゆっくりと足を踏み入れる。

周囲の壁には、光の文字が流れている。

それは、古き契約――“愛の誓い”を記した竜の碑文。


「……ここ、知ってる」

シルヴァが小さく呟いた。

「私とあなたが、初めて出会った場所」


ダーリンの瞳が揺れる。

「出会った……?」

「うん。昔、あなたは人じゃなかった。

 炎の中で私を呼んだ――“一緒に空を見よう”って」


遠い記憶の断片が、彼の中で弾ける。

眩しい光、焼け落ちる空、そして泣きながら翼を差し伸べた少女の姿。

あの声が、確かにシルヴァだった。


「俺たち……約束してたのか」

「ええ。たとえ時が変わっても、種族が変わっても……“心は一つ”だって」


その瞬間、神殿の中央にある石柱が光を放つ。

二人の胸の紋章が共鳴し、金の光が舞い上がる。


『契約の再誓。――愛は形を超え、魂を繋ぐ。』


声が響き、風が包み込む。

光の輪が二人を結び、空の彼方まで伸びていく。

それは、永遠の契約――“天空の誓い”。


シルヴァの頬を、涙が伝う。

「ダーリン……これが、私たちの“永遠の形”」

「形なんていらねぇさ。おまえと生きてること、それだけで充分だ」


彼の言葉に、シルヴァは笑った。

そしてそっと目を閉じ、唇を寄せる。


「じゃあ……これが、人間式の誓いね」


唇が触れる。

風が鳴り、神殿の光が静かに収束していく。

空が金色に染まり、二人の影が重なってひとつになる。



---


その夜。

二人は神殿の外、無数の星が流れる丘で寄り添っていた。


「なぁ、シルヴァ。これからどうする?」

「空の果てまで行ってみたい。あなたと、ね」


小さな笑い声が、夜風に溶けた。

彼女の翼が揺れるたび、空に新しい星が生まれていく。


それはまるで――

“愛が形になっていく”瞬間のようだった。



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