第13話 「ドラゴン、恋を知る。」
嫉妬騒動の翌朝。
シルヴァは妙に静か。
直哉に「熱でもあるのか?」と心配されつつ、
彼の背中を見送ると、胸のあたりを押さえる。
「ねぇ、これ……“恋”ってやつなの?」
――ドラゴンの心臓に、熱ではない“トクン”が生まれる。
“恋の勉強”
家で一人、シルヴァは恋愛ドラマを鑑賞。
画面の中でキスをする二人を見て、顔が真っ赤に。
「ダーリンと、こうやって……」
(※尾がパタパタ暴走し、部屋のクッションが炎上)
そこへタイミング悪く帰宅する直哉。
部屋の焦げ跡を見て、半ば呆れつつも笑う。
「また恋の炎、暴走か?」
「うぅ~ダーリンのせいだもん……」
「なんで俺のせいなんだよ」
「だって……あたし、ダーリンを見ると、熱くなるの」
“恋の告白未遂”
夜、バルコニー。
冷たい風に吹かれながら、
シルヴァが静かに問いかける。
「ねぇダーリン……人間の“好き”って、どんな感じ?」
「そうだな……相手のことを考えると、心が少し痛くて、でも幸せで……」
「そっか……それ、今のあたしだ」
見上げた銀の髪が月光を反射し、
赤い瞳が潤む。
言葉にならない感情が唇まで上がる――が、
「ダーリン……す、す……すき……きゃっ!?」
尻尾が滑って転倒、
二人まとめてバルコニーのクッションに倒れ込む。
「お、おいシルヴァ!?」
「も、もう! ダーリンのせいで言えなかったじゃんっ!!」
頬を真っ赤にしながら、シルヴァは枕を叩く。
笑いながら直哉が呟いた。
「……その“続き”、ちゃんと聞ける日を楽しみにしてるよ」
「……ダーリン、ずるい♡」
夜空に、ひときわ赤い流れ星。
それはきっと、恋するドラゴンの“心の炎”。




