表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役令嬢グラフェス ―断罪されたけど元気ですわ!―  作者: 南蛇井


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

55/67

世界再起動 ― “断罪のない朝”

白の世界に、ふと風が吹いた。

光の粒が漂い、崩壊していた天界アリーナが――静かに再構築されていく。

しかし、それはもはや断罪の祭壇ではなかった。

空に浮かぶ巨大な裁きの円環も、審判の光も消え去っている。

代わりに現れたのは――

小さな木造の店。

窓にはステンドグラスがはめ込まれ、看板がやさしく揺れていた。

《☕ Café Requiemカフェ・レクイエム


クラリッサが目を瞬かせる。

「……ここは?」

エリシアが微笑みながら答える。

「物語の続きよ。断罪のない朝のページ。」

ヴァレンティナは頬を掻いて苦笑する。

「裁きの跡地にカフェ……。

 ま、悪くない再生だな。」


扉が軽やかに開く。

中から漂うのは、コーヒーと甘い焼き菓子の香り。

そこに立っていたのは――

ミレーユとマルガレーテ。

彼女たちは幻影のまま、しかしあたたかく微笑んでいる。

ミレーユ:「おかえりなさい。

  “罪人特製スイーツ”、準備できてるわ。」

マルガレーテ:「今日のおすすめは“赦しのシュークリーム”ね。

  中身は――秘密♡」


クラリッサはくすりと笑い、ヴァレンティナの腕を軽く引く。

クラリッサ:「行きましょう。

  ここなら、神もAIも断罪しませんわ。」

エリシア:「ただ、生きて、笑って、甘いものを食べるだけ。

  ――それが、きっといちばん難しい罪ね。」

三人はゆっくりと歩き出す。

カフェの扉を開けると、小鳥のさえずりと笑い声が溶け合う。

外の世界には、もう断罪の鐘は鳴らない。

代わりに、湯気の立つカップが**“朝”**を告げていた。


ナレーション

「断罪の果てに残ったのは、罪でも正義でもない。

  ただ、“生きて笑う”という選択だった。」

「そして、物語は――

  罪を越えた者たちの、穏やかな一日へと続く。」


(カメラ:空へパンアップ)

カフェの屋根に、**“王冠の欠片”**が光を反射している。

まるで太陽の一部がそこに残ったかのように。

タイトルロゴ:

《Crownless Redeemer》

Fin.


エピローグ後エンドカード

Next Episode: 《Café of the Lost Sin》

――「罪が消えたあとに、何を語る?」

Eパート:終幕 ― “無冠の贖罪者”


白い雲がゆっくりと流れていく。

もう、天界に“断罪の鐘”は鳴っていない。

代わりに、風が新しい朝を運んでいた。

崩壊した玉座の残骸――

そこにひとり、ミカエルが座っていた。

かつて審判の象徴だったその存在は、今はただの語り部。

金の装甲はひび割れ、翼は半ば透けている。

けれど、その瞳だけは、どこか柔らかかった。

ミカエル:「……王はいない。

  だが、笑った者たちは皆――無冠の王だった。」

風が彼のマントを揺らす。

断罪の記録を刻んだデータプレートが、光の粒となって空へ舞い上がっていく。

その一つ一つが、過去に消えた戦士たちの“笑顔”に変わり、青空の中で弾けた。


場所は変わって――

《カフェ・レクイエム》。

木漏れ日が差し込む店内。

クラリッサが紅茶を淹れている。

白磁のティーポットから、ふわりと湯気が立ちのぼる。

テーブルには、ヴァレンティナとエリシア。

二人とも、どこか満たされた顔で微笑んでいる。

クラリッサ:「今日の朝は特別ですわ。

  ――罪の味が、少し甘いの。」

彼女がそっとカップに紅茶を注ぐ。

透明な琥珀色の液面に、朝日が反射して揺れる。

その光が、まるで王冠のように輝いた。


ナレーション

「冠はない。

  それでも、彼女たちは世界を救った。

  ――“無冠の贖罪者(Crownless Redeemer)”。」

カメラがゆっくりと引いていく。

青空、笑い声、そして穏やかな時間。

断罪のフェスティバルが残したものは、ただ“日常”だった。


タイトルロゴがフェードイン

《断罪の終焉 ― Crownless Redeemer》

Fin.

 ――断罪は、終わった。

 贖罪が、始まる。

 この世界に、完全な正義など存在しない。

 誰もが誰かを裁き、誰かを赦し損ねる。

 それでも、人は――

 それでも、笑って、生きようとするのだ。

 たとえ罪の名を背負っていても。

 たとえ、王冠を失っていても。

 朝日が差し込むカフェの窓辺で、

 三人は、今日も笑い合う。

 “生きる”という罪を、

 少しだけ甘いスイーツで包みながら。

 その笑顔こそが――

 神すら持たぬ、最後の赦しだった。

 


エンドカード

Next Episode(Finale):

《断罪フェス Epilogue:The Café of Sins》

「罪の味は、今日も少しだけ甘い。」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ