第11話《断罪の終焉 ― Crownless Redeemer》 崩壊後の静寂 ― “白い世界”
断罪フェスの最終局面が終わりを迎えた瞬間、
天界の空は、音もなく**“純白の虚無”**へと変わった。
瓦礫の大聖堂も、玉座も、観客も、すべてが光の粒となって散っていく。
ただ、かすかに風のような旋律が吹き抜けていた。
ナレーション(ミカエルの残響)
「断罪の朝。神の沈黙が、音楽になった。」
ゆっくりと、三人が目を覚ます。
白い地面に横たわる――クラリッサ、ヴァレンティナ、エリシア。
衣は焦げ、翼は折れ、それでも彼女たちは穏やかに息をしていた。
クラリッサは、指先で粉雪のような光をすくう。
その粒は、消えた観客たちの“記憶”だった。
クラリッサ:「……終わったの、かしら。」
エリシア(薄く微笑みながら):「“終わり”は、まだ書かれていない。
だから、きっと――続くのよ。」
ヴァレンティナ(頭を掻きながら):「なら、また笑えるわね。
罪も、泣きも、全部リセットされても。」
クラリッサは目を閉じ、風の音に耳を澄ませた。
どこかで、懐かしいカフェの鐘の音が響くような気がした。
その音に呼応するように、光の粒が集まり始める。
やがて――ミレーユ、マルガレーテ、リュシーの面影が、
淡い残光の人影として現れた。
ミレーユ(幻影):「……ちゃんと、罪を笑えたわね。」
マルガレーテ(幻影):「世界は白紙に戻ったけど――音は、消えてないわ♡」
リュシー(幻影):「……次は、“書く番”だよ。ね、クラリッサ。」
三人の幻影は、微笑みながら空に溶けていく。
クラリッサは小さく頷き、手を伸ばした。
クラリッサ:「ええ――“神を赦さぬ者”として、私たちは書くわ。
笑いと、歌で、次の世界を。」
白い空に、金の光が差し込み始める。
その光が、再び“罪”という名の色を世界に戻していった。
ナレーション:
「神なき朝。
彼女たちは冠を失い、
しかし――笑いを得た。」
(ト書き:
風が止み、白い世界に、ひとつの“影”が映る。
その影は、まるで新しい物語の“始まり”のように微笑んでいた。)




