余韻と次回予告
砂の嵐が止んだ。
幻影劇場は完全に崩壊し、残されたのは――静寂だけ。
クラリッサとエリシアは、砂の上に並んで横たわっていた。
どちらも動けず、それでも視線だけは、確かに交わっている。
クラリッサの唇がかすかに動いた。
「……あなたの理屈も、わたくしたちの感情も、同じ罪ですわ。」
その言葉に、エリシアはわずかに笑った。
頬に流れる砂の光が、まるで涙のようにきらめく。
「……なら、どちらも間違っていないのね。」
ふたりの笑みが、夕暮れの砂に溶けていく。
勝敗も断罪も超えた、ただの“理解”の瞬間。
やがて、砂が風に流れ、二人の姿を包みこんだ。
――沈む砂の中で、穏やかな呼吸だけが響く。
そこへ、ミカエルの声が重なる。
かつての実況口調ではない。少しだけ、静かなトーンで。
「ルールを壊し、罪を越えた者たち。
この世界の“断罪”は、いまひとつの終わりを迎えた。
だが――最終幕は、ここからだ。」
画面の奥で、黒い天秤がゆっくりと回転する。
バランスは崩れたまま、誰の側にも傾かない。
ミカエル:「次なる舞台は――“最終断罪”。
勝つのは、誰の“罪”か……!」
砂嵐の向こうで、ひときわ強い光柱が立ち上がる。
そこには、紅のコートをはためかせる一人の影――マルガレーテ。
その笑みは、勝者のものでも、敗者のものでもない。
ただ、“観客すら欺く者”の笑み。
――次回、《断罪トーナメント・決勝戦:無冠の贖罪者》、開幕。
「罪は、美しくなれるのよ。」




