罪トークコーナー ― 今日の反省は?
午後の陽が傾き、カフェの奥に設けられた“反省トークテーブル”がスポットライトで照らされる。
天井から吊るされた小さなマイクと、司会席に鎮座するAI実況・ミカエル。
その声は、まるでバラエティ番組のようにテンションが高かった。
ミカエル:「さあさあお待たせしましたァ! 本日の特別コーナー!
『今日の反省は? ~あなたの罪、どんな味?~』の時間ですッ!!」
拍手SE(※AI自動再生)。
カフェの客席がわずかにざわつく中、ミレーユが苦笑してトークテーブルの横に座る。
ミレーユ:「……あなた、本当に実況以外の仕事も楽しんでるわね。」
ミカエル:「断罪も娯楽も、熱いうちに回せってね!!」
リュシーの場合 ― 「嫉妬はミント味」
マイクが回る。
リュシーは少し頬杖をついて、グラスの中の溶けかけたパフェを見下ろした。
リュシー:「嫉妬は……ミント。
冷たいのに、後からヒリヒリするの。」
静かな一言に、周囲が「うまい……」とざわめく。
ミカエルが即座に効果音を流す。
ミカエル:「出ましたッ! スーッとしてドキッとする、冷感系罪フレーズ!!」
マルガレーテ:「ヒリヒリもまた、恋の味よ♡」
リュシー:「違うわ、これは胃の痛みよ。」
マルガレーテの場合 ― 「虚飾はキャラメル味」
今度はマルガレーテがマイクをくるくる回して受け取る。
エプロン姿で、髪を軽くかき上げる。
マルガレーテ:「虚飾はキャラメル。
焦がしすぎると苦いけど、香ばしくて――やめられないの♡」
ミカエル:「キターッ!! 甘く焦げつく自己演出罪ッ!!」
ミレーユ:「……つまり、あなたの場合は“見栄をコーティングした自己肯定”ね。」
マルガレーテ:「そう言われるとちょっと苦いわね♡」
ヴァレンティナの場合 ― 「怒りはブラックコーヒー味」
続いてヴァレンティナ。
腕を組み、やや照れくさそうにカップを見つめながら。
ヴァレンティナ:「怒りはブラックコーヒー。
飲みすぎると……胃が壊れる。」
一瞬の沈黙。
だが次の瞬間、クラリッサがふっと笑う。
クラリッサ:「でも、それがないと、目が覚めないんでしょう?」
ヴァレンティナ:「……うるさい。」
ミカエル:「名コンビ再来ッ! 苦味の中に友情のフレーバー漂うぅ!!」
クラリッサの場合 ― 「孤独は水の味」
最後にクラリッサ。
彼女は静かにグラスの水を持ち上げ、光に透かす。
クラリッサ:「孤独は……水。
……なくなると、死ぬ。」
ミレーユが目を見開き、他のメンバーも息を呑む。
しかしクラリッサは、それ以上何も言わず、静かに水を飲み干した。
ミカエル:「で、出ました――ッ!! 本日最大の名言発生ッ!!
断罪カフェ名物“自己省察ブレンド”発動ぉぉぉ!!」
拍手SE(再びAI自動再生)。
ミレーユが小さく笑い、手を叩く。
ミレーユ:「……今日の罪は、みんな優しい味ね。」
マルガレーテ:「次は“赦しのデザート”コーナーかしら?」
ミカエル:「それはまた次回のお楽しみィ! ここで人気投票のお知らせッ!!
推しの罪人に清きクリックを! 再審枠に入ると、もう一度出番があるかも!?」
笑いと拍手に包まれながら、カフェの午後は穏やかに過ぎていく。
けれど、この“人気投票”が次の断罪ステージへの運命を決めるとは――
まだ誰も知らなかった。




