表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役令嬢グラフェス ―断罪されたけど元気ですわ!―  作者: 南蛇井


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

32/67

敗者たち、集う午後

昼下がりの断罪カフェ。

甘い香りと、ほんの少しの後悔の匂いが混ざり合っていた。

BGMはどこか神聖で、どこかズレたオルゴール調のジャズ。

テーブル席では――

敗者たちが、それぞれの「罪スイーツ」を前に沈黙している。


リュシー(第3話・敗北者の狩人)

淡いグリーンのパフェグラスを前に、リュシーはため息をついた。

層の上にはミントクリーム、そして下へ行くほど色が暗くなっていく。

リュシー:「見た目は綺麗だけど、下の層が全部苦いのよね……」

スプーンを入れるたび、ミントの清涼とハーブの渋味が混ざる。

その様子を見て、マルガレーテがウィンクする。

マルガレーテ:「嫉妬は層が深いの♡

甘さの下に、自己嫌悪と後悔が隠れてる。――でも、映えるでしょ?」

リュシー:「味より映えが優先とか……この世界ほんと病んでるわ。」

ミカエル(実況AI):「“嫉妬のミントパフェ”――一口で心が冷える!?

本日も断罪フェス、胃にもメンタルにも効いております!!」


クラリッサ(前回共闘組)

カウンター席の端。

クラリッサは、カップの黒い液面を見つめていた。

カフェの照明が、彼女の金髪をわずかに揺らす。

クラリッサ:「……“孤独ブレンド”。苦み、強すぎるわ。」

彼女の前で、ミレーユが穏やかに笑う。

ミレーユ:「あなた用に淹れたの。特製――“無糖の誇り”。」

クラリッサ:「……余計なお世話。」

スプーンでカップを軽く叩き、クラリッサは小さく息を吐く。

その横顔には、戦いを終えた者特有の静けさがあった。

だけど、その苦味の奥に、微かな安堵が見える。

ミカエル(実況):「無糖の誇り、カフェイン濃度200%ッ!

孤高の味、しかし後味はほんのり温かい……!?」


ヴァレンティナ(店の警備兼試食係)

カウンターの隅。

ヴァレンティナは腕を組み、真剣な顔でケーキを睨んでいた。

ヴァレンティナ:「“怒りのチョコケーキ”って……中が唐辛子入り!?」

ナイフを入れると、中から赤いソースがとろり。

一口食べた瞬間――

ヴァレンティナ:「ッッッ!! かっ、辛ッ!?!?!?」

顔が真っ赤に染まり、髪の先まで熱を帯びる。

ミカエル:「出たぁーッ!! 断罪フェス名物、“激辛ジャスティス”発動!!」

マルガレーテ:「怒りの熱量を、スイーツで可視化♡」

ヴァレンティナ:「可視化しなくていい!! 舌が断罪される!!」

カフェの中に笑いが広がる。

戦場でぶつかり合った者たちが、今は一つのテーブルで笑っている。

その光景を見て、ミレーユは小さくつぶやく。

ミレーユ:「……いいわね。

罪を語りながら、ちゃんと笑えてる。」


天井の照明が少しだけ柔らかくなる。

甘さと罪と赦しが、カフェの空気に溶けていった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ