表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役令嬢グラフェス ―断罪されたけど元気ですわ!―  作者: 南蛇井


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

22/67

覚醒 ― “怒り”の意味

轟音とともに粉々になった鐘の残骸が、空へ舞い上がる。

赤い波動が荒れ狂い、アリーナ全体を焼き尽くすように包み込む。

その炎の中で、ヴァレンティナは息を荒げ、拳を握りしめた。

ヴァレンティナ(息を吐きながら):「……これが、私の正義? こんなもの、ただの……破壊じゃない……!」

熱で揺らめく視界の中、ひとつの影が立っていた。

他の幻影たちとは違う。彼女の瞳をまっすぐ見上げる――ひとりの少女。

リア:「……ヴァルおねえちゃん。」

その声を聞いた瞬間、ヴァレンティナの全身から力が抜けた。

赤の光が弱まり、拳套の文様が淡く脈打つ。

ヴァレンティナ:「……リア……なの?」

リア(微笑みながら):「そんな顔、しないで。

 怒ってもいいよ。でも……“壊す”ためじゃないでしょ?」

ヴァレンティナの拳が震える。

その一言が、心の奥に刺さる。

ずっと封じてきた想い――守れなかった悔しさ、届かなかった叫び。

ヴァレンティナ:「……そうね。

 怒りは……誰かを守るためにある。」

拳套が青白く光を放った。

赤い魔紋がひとつずつ金色に転じ、まるで怒りが“祈り”に変わっていくようだった。

デバイスの奥で電子音が鳴り、機構が展開を始める。

システム音声:「《ガントレット・オブ・レトリビューション》――ガーディアン・モード、起動。」

金属が伸縮し、拳套の形が変化する。

装甲が開花するように展開し、蒼いエネルギーが指先に集束。

まるで、怒りを“護る力”へと再構築するような美しい輝き。

ヴァレンティナ(深く息を吸い込み):「この怒り――守るために使う!」

大地を蹴る。

衝撃波が広がり、アリーナ全体の空気が震える。

ヴァレンティナの拳が空を裂くように振り抜かれ、黄金の閃光が走った。

赤い波動が一瞬で黄金へと転じ、炎のように燃え盛る幻影の群衆を包み込む。

怒号が消え、代わりに――静かな歓声が、まるで祈りのように響いた。

AI実況(震えた声で):「――“怒り”が、浄化されていく……!? これは……守護の拳、だと……!」

崩れゆく幻影の中、リアの笑顔だけが最後まで残り、光の粒となって消えていった。

その光がヴァレンティナの胸元に溶け込むと、アリーナに穏やかな風が吹いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ