第2話:舞踏会ホールの再演 ―傲慢のステップ―
《舞踏会ホール・傲慢のステップ》
アリーナの床が深紅に裂け、現れたのは――黄金のシャンデリアが輝く豪奢な舞踏会ホール。
床一面に敷かれた赤絨毯は光を帯び、足を踏み出すたびに波紋のような魔法陣が広がる。
壁には無数の鏡、天井には幻影の星座。
そして、その鏡の中にはかつての“断罪の夜”――クラリッサの記憶が映し出されていた。
ドレスをまとった貴族たちの幻影が、まるで観客のように取り囲む。
その中心に立つのは、クラリッサとミレーユ。
ふたりの手には、それぞれ“罪”を象徴する断罪具が輝いていた。
クラリッサの手にあるのは、傲慢の炎を宿す剣――
《傲慢の炎剣》。
一振りすれば、虚飾も怯懦も燃やし尽くす炎が咲く。
対するミレーユの指先には、妖艶に揺れる香気の杯――
《魅惑の杯》。
その香りを吸う者は、理性さえも溶かされる。
幻影の貴族たちは微笑みながら囁く。
「また“あの夜”が始まるのね」
「今度こそ、どちらが本物の淑女か見届けましょう」
天井に浮かぶ天界スクリーンが、舞台のルールを映し出す。
『採点方式:美しさ・優雅さ・反省度』
『美しく戦うほど評価が上がる』
『ただし、見苦しい争いは減点対象』
ミカエルの声が響く。
「勝敗の鍵は、“どれだけ美しく反省できるか”!
戦うほどに、己の罪を装飾しなさいッ!」
クラリッサは静かに剣を構え、鏡の中の“断罪当夜”を見つめる。
そこには、過去の自分――傲慢な微笑みで、誰よりも冷たく婚約を拒絶した少女がいた。
クラリッサ(心の声):「……今度こそ、美しく終わらせてみせる。」
目的はただひとつ。
“あの夜”をやり直し、傲慢を誇りに変えて勝つこと。




