「キャラリアクション」
天界アリーナを包む光が、一瞬、薄く揺らいだ。
ミカエルの高らかな声が再び響く。
ミカエル:「次なるステージは――《舞踏会ホール・傲慢のステップ》!!」
その名が告げられた瞬間、
クラリッサ・ロートの微笑がわずかに崩れた。
クラリッサ:「……よりによって、あの夜の再演ですの?」
その言葉に合わせて、ホログラムのスクリーンが淡く点滅する。
豪奢な舞踏会――煌めくシャンデリア、回るドレス、そして王太子の冷たい瞳。
断片的な映像がフラッシュのように走り抜ける。
観客席からは息を呑むようなざわめきが広がった。
そんな中で、ミレーユ・ラファイエットがふっと笑みを浮かべる。
ワイングラスを持たぬ指先で、軽くウィンク。
ミレーユ:「まぁ、ステップには自信あるけど♡
――誰と踊るかは、別の話ですわね。」
艶やかな声が響いた瞬間、男性天使たちの席から「フゥーー!」と歓声が上がる。
そして、マルガレーテ・フォン・グランツが口角を上げ、冷ややかに笑った。
「視聴率、跳ねそうね……特に“破棄”の瞬間で。」
その目には、恐怖でも羞恥でもなく――演者としての冷静な分析が宿っていた。
上空を漂うコメントホログラムが、次々と文字を刻む。
『#傲慢vs反省のワルツ』
『#婚約破棄フェスティバル』
『#元婚約者参戦フラグ』
天界全体が、いまやひとつのライブ会場。
拍手と期待の熱狂の中で、彼女たちの“断罪ショー”は、静かにその幕を上げようとしていた。




