7 アンドロイド
アンドロイドの作成は出来た。1万体作り、各地に配置した。宇宙人の記憶にある魔法はだいたい出来たが、一つ出来ない魔法がある万能魔法だ。
7 アンドロイド
マリエールは海辺の開発地に来ていた。ここならアンドロイドを
作成するのに問題のない広さだ。記憶だけからアンドロイドが作成出来るのか疑問あるが私には魔法の才能がある。
「アンドロイド作成」
身体中が熱くなり魔法が形成されるのが判る。アンドロイドが一体出来た。いろいろ試した。魔導人形との連携も試した。問題ない。予想以上の出来だ。アンドロイドを量産する事にした。
「アンドロイド100体作成」
問題ない、
「アンドロイド1万体作成」
問題なく作成出来、各地に散った。お互いに連携し、魔導人形にも指示を与えられる存在に安心を覚えた。
他の魔法も大体同じ要領で習得出来た。マリエールは今までにない高みに自分が上がったのを感じた。
しかし、万能の力というものにマリエールは至っていない事を知っている。それは厳しい修行の後、今の自分とは違うものに生まれ変わる事を意味するのだと自覚する。
やり残した事を済ませて置かないと。マリエールは王家の夕餉に向かった。マリエールは、
「私は新しく生まれ変わります。だから基本的にここへは来れなくなると思います。」
王家の人々は一斉にマリエールを見つめた。マリエールの力で5国を従え、海洋開発や南の幸や複製によって今この国は栄えている。今マリエールに去られてこの国が保たない。
「もちろん後任は決めていきます。シルビアには魔法の才能があります。魔導人形やアンドロイドへの指示、複製魔法や産業、事業それから南や各国の維持までなら任せられます。後は国王陛下やハリス王子にお任せします。」
国王は、
「シルビアにそれだけの才能があるなら構わないが、マリエールにそれだけの覚悟をしなければならほどの難行、死ぬではないぞ」
超えねばならぬ試練故の別れの準備、死ぬなと言われても死ぬ覚悟が無くて臨める試練ではない。しかし、いう必要もない。
「もちろんです。」
シルビアの魔法付与は可もなく不可もない。現状維持なら問題はない。変化を求めないシルビアの意思は誰にも停められない。
かくしてマリエールは気兼ねなく修行に出た。宇宙人に会って直接聞く事が可能かのかも知れないし、後を追うのかも知れない。または残した資料等から読み解くのかも知れない。記憶を見るにその修行は膨大な知識と苛烈で長期なものなのに辿り付いたものは彼が知る限り彼しかいない。彼は宇宙各地にその境地辿り着く資料を置く作業をしている。一人しか辿り着けない境地は寂しい誰かに後続いて欲しい。
だから彼が居なくても境地に至る資料はある筈だ。その資料のある場所に至る方法も判る。後はやるだけだ。至る境地は万能。そこに至れば全てが叶う。
妖精女王の所まで転移して後はフライだ。近いと言っても数百kmある。今日中に着けるかどうかだ。暗くなる前に着きたい魔力感知では本人がいない限り見つからない。マリエールの予感では本人はいない。
夕方日のある内に目的地に着いた。修行の開始だ。
修行に取り組むため、妹シルビアに魔導人形やアンドロイド、産業や事業、国々の管理を任せた。