6 強大な魔力
強大な魔力が存在する。マリエールは魔導人形の痕跡を辿って転移する。邪悪な物ではないと判断して接触する。
6 強大な魔力
魔導人形が示した地点に着いた。確かに強い魔力だ。まだ距離あるので邪悪かそうでないのか判然としない。そのまま暫く待った。邪悪な存在なら全員集めて攻撃する必要がある。そうでないなら少人数でいいだろう。
魔導人形から邪悪な存在ではないと連絡が入った。マリエールは魔導人形の元まで行った。確かに邪悪さは感じないが、凄く奇妙な存在だ。マリエールが2人いる。もう1人のマリエールは、
「そちらの方が最も好ましい存在があなただったのであなたの形状取らせて頂きました。私自身は姿を持ちません。この場所が私という事になります。場所ではコミュニケーションが取れませんので必要な時にはその都度仮の姿になります。その方にとって好ましい姿に。あなたには不快かも知れないですが。」
場所が強大な魔力を持つなんて聞いた事がない。この土地の特殊な存在か。
「元々は妖精女王でした。長い時を生き代替わりして命を終える筈でした。そんな中人間が現れこの土地で農業が始まりました。妖精達は去って行きましたが土地に縛られる私はそのままでした。やがて命が尽きるものと思っていました。しかし、環境破壊と核戦争で人類はもちろんほとんどの生物は滅んでしまいました。放射能で汚染され長い期間、不毛な地であり続けました。僅かな生き物達を守るのが私の使命だと知りました。生き物や大地や水、隕石の記憶が私に伝わりました。もちろん人間の記憶も、訪れた宇宙人の記憶もあります。あなたの記憶も私の中にあります。あなたはとても優秀で心優しい方ですね。皆の幸せを願える人ですね。私の記憶があなたの役に立つなら役立てて欲しいと思います。これまで生き物や水や大地の記憶を受け入れてきただけですがあなたの心情を感じ私もあなたの役立ちたいと思います。願って下さい。妖精女王の記憶を受け入れると。」
突然の申し出だが、記憶を受け取るくらいは別に構わないと軽く考えた。
「妖精女王の記憶を受け入れます。」
突然、整理されていない記憶が怒涛の如く流れ込んできた。人間の記憶の限界を超える様な情報量だと思った。アイテムボックスが開くのを感じた。
「あぁ、外付けディスクか、割りと楽になった。」
どれ程経ったろう。記憶の受け入れが終わったらしい。
「あなたなら受け入れて下さると信じていました。ありがとうございます。唯一私と共通の記憶を持つ方。」
何と応えれはいいか、迷ったが、
「私こそありがとうございます。活用します。」
本当は何が何やら判らないが、知識がある事はいい事な゙のだろう。
最初に浮かんだのは宇宙人の記憶だ。多種多様な記憶があるが、取り敢えずこれは大切な記憶だと判ったのがアンドロイドの知識だ。アンドロイドは2つの方法で作れるらしい。AIを使って作る方法とアンドロイド製造魔法だ。外にも宇宙船を作る技術や分身体を作る魔法や創生魔法の類などなんか飛んでもない魔法の記憶が次々と出て来る。最近の記憶らしい。それほど遠くない所に宇宙人はいるらしい。記憶によれば、アンドロイドは、ある程度自己判断が出来て、協調も出来るらしい。ある程度長期にその場所を任せて於けるらしい。直ぐに必要な物だ。
マリエールが2人、長い時を生きた妖精女王だそうだ。彼女の記憶を受け入れる事にした。膨大な記憶が流れ込んだ。宇宙人の記憶まである。