10 研修
研修が始まった。3ヶ月は魔力増強も知識も魔法もどんどん成長した。でも3ヶ月で止まった。魔法付与がマリエールのものになったからだそうだ。
10 研修
翌日から、7時起床、8時研修開始の毎日だ。始めは魔力増強、これは毎日の日課だ。その後知識、初回は反物質装置の移動のプログラミングだ。彼に素人には任せられない言われたやつだ。確かに学習はしているが具体的には難しい。例題を幾つかやるが目的地の情報なければプログラミング出来ない事が良く判った。今回目的地の情報を知らせるのが面倒で素人うんぬんになった可能性が高い。素人なのは否定しないが。その後は各種魔法だ。今日は分身体魔法だ。アンドロイドと違い、一時的なものだし直ぐに解除できる。魔法自体は持っているので簡単にだせる。しかし、課題が分身体を3体出して4冊テキストを同時に読むというハードな課題でとても疲れた。複数の情報を同時に得る事は日常的だったのにどうして疲れれるのだろうか。
「それはアンドロイドの情報はただ受け入れただけのに対して分身体の情報は理解して考えるからです。どちらも利点、欠点がありますが、この研修には分身体は不可欠ですね。」
大変な研修になりそうだ。
魔力増強はプライベート時間もやるように言われている。マリエールもアンドロイドも大抵3体分身体を出している。マリエールも次第に休憩が要らない身体になり、分身体も増やしていく。魔力が日々増強される事が実感出来て知識、魔法が次々と付いていくのが判る。3ヶ月が経ったある日それがぴたりと止まった。その事をアンドロイドに知らせると、
「付与魔法がマリエール様の身に着いたからです。後は御自分の力で切り拓く必要があります。それから今後実習が増えます。」
実際にプログラミングして前修行していた所に行き私物やアンドロイドの残骸を回収して修行場を掃除したり任意の各地に出かけたり(ある程度情報があれば目的地が確定出来るようになった)アンドロイドと模擬戦をしたり、宇宙に出かけて様々な魔法を放ったりした。豪華料理を出す魔法を使ったり風光明媚な場所に出かけたりした。
研修を始めて5ヶ月が経った頃アンドロイドに、
「来週万能者が来るそうです。研修後の事に付いて打ち合わせたいそうです。」
この10年間もこの研修も万能者になる事だけが目的でその後の事など考えていなかった。万能者になれば栄耀栄華が舞い込んで来るものと思っていた。でもそんなものないらしい。
「アンドロイドは私がどうしたらいいと思いますか。」
アンドロイドは応えてくれた。
「多分マリエール様の故郷では、力を持て余すと思いますし、ご存じの事とは思いますが、万能の能力の一端に触れただけです。万能者が万能者たるは反物質のことわりに辿り着いたからです。失礼ですがマリエール様は反物質のことわりの入口にみえます。マリエール様には経験が足りません。マリエール様を正しく導けるのは万能者一人です。万能者に師事する事をお勧めします。」
万能者が手取り足取り教えてくれるのだろうか。私のみた感じそんな人物には思えなかったが。
「ここを拠点にして下さい。私もいますし、一応万能者様の拠点です。私を通じてマリエール様の課題をお伝え出来ます。もうマリエール様のアンドロイドを作成しても構いません。これからはゆくっり成長して行けばいいのです。」
マリエールは納得した。
来週彼が来る。今後の事だそうだ。アンドロイドに相談した。ここを拠点にアンドロイドを通じて彼の課題をこなすのがいいそうだ。




