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隠し事な撲殺魔っ

 ……まさか、わたくしが生きている間に再び千年祭が……。


「リファリス、おはよ」


 もしもの事があったら、この世界は永遠の闇に沈んでしまいます。そうなったら、生きとし生けるもの達は聖なる光を二度と浴びなくなってしまい、魔のものへと身を堕とす事になるでしょう。


「リファリス? ちょっと?」


 これだけ重要な案件ですもの、例えリブラだとしても絶対に言えません。


「リファリス、押し倒しちゃうぞ~」


 ええ、ええ、どんな脅しをかけられたって、決して屈する訳には。

 きゅっきゅっ

「はあああああああああああんっ!!」

「はいはい、レッツゴーレッツゴー」

 ズルズルズルズルッ


 こ、これは試練なのですね! 主がわたくしを試されているのですね! そうですよね!


「さあさあ、今日も足腰立たなくなるまでヤリましょう」


 足腰が立たなくなるまではちょっと……し、しかし、絶対に喋りませんわ!


「あれ、リファリスが大人しく引きずられていく」

「珍しいな、いつもなら激しく抵抗するのに……シスターも合意の上でか?」


 違います、違いますわああ! まるでわたくしが快楽に溺れているかのような誤解、止めて下さいまし!


 ガラガラ……ピシャリ



『……っ! ……っ!』


「うわあーお、マジで激しいな。ベッドの足が折れなきゃいいが」

「リファリスが大胆な……あ、【ぴー】とか【ぴぴー】とか言ってる」

「本当にシスターはどうしちまったんだ? いつもなら、ここまで乱れたりはしないだろうに」



「ふう、スッキリ」


 た、耐え抜きましたわ……! 主からの試練を乗り越えましたわ……!


「で、リファリス。何があったの?」


 ひゃい!?


「なななな何もございませんわ! 秘密だなんて何も」

「秘密な話があるんだ」


 ひぃえええ!!


「ひみひみ秘密だなんてございませんわ! バレたら大変ですものっ」

「へええ、バレたら大変な秘密なんだ」


 あひゃあああああああああ!!!?


「だ、駄目です! 言えません! 大司教猊下から厳重に口止めされ」

「大司教猊下直々の秘密なの!?」


 きぃぃぃぃやぁぁぁぁ!!!!


「ああもう! リブラとは何も話しませんわ! 喋りませんわ!」

「え~、別にいいじゃない」

「良くありません! 貴女が言葉巧みに、わたくしから情報を引き出すから!」

「言葉巧みに……? 殆どリファリスの自爆じゃない」


 もういやああああああ!!



 主よ……わたくしは、隠し事には徹底的に向いていないようです。


「リファリス、大司教猊下から何が?」

「きぃああああああ!?」

「シスター、何を隠してるんだ?」

「きぃああああああ!?」


 他の二人からもゴリゴリと削られ、もう陥落寸前です……。


「別に話したくないんなら、追及するつもりは無いけど」

「はい! 追及しないで下さいまし!」

「追及する間でも無いけど……ここまで徹底して口を噤むんだから、リファリス個人の秘密じゃないわよね」


 あ、当たり前です! わたくし程度の秘密でしたら、ここまで隠し通したりしませんわ!


「……モリー、確か貴女、福音書をほぼ読破してたわよね?」

「ああ、全部目は通したよ……つーかよ、シスターの弟子なんだから、普通にそれくらいはしなくちゃなんねえだろ?」

「「うぐ……ぴ、ぴーぴぴー」」


 リブラとリジーは下手くそな口笛で誤魔化します。


「あ、貴女達、まだ福音書を読んでませんの!?」


「し、しまったあ。変なとこに飛び火したあ」

「えーっと、今はリファリスの秘密がメイン」


「話を逸らさないで下さいまし!」


「あー、シスター? もう喋っちまったらどうだ?」


 へ? モ、モリーまで!?


「つーかさ、隠し事で苦しんでるの間近で見てると、こっちまで苦しくなるっつーか」


 モリー達まで苦しいんですの?


「いやあ、シスターの隠し事、毎回バレバレだから」

「敢えて触れないようにするか、毎回迷うのよね」


 はうううう!?


「リファリス、周りに心配かけまいとして、普通に過ごそうとする。その時点でバレバレオーラがバシバシ伝わる」


 はああああううううう!!


「「「毎回やきもきさせられる、こちらの事も考えて」」」


 うぐっふぅ! 


「わ、分かりましたわ。話しますわ」


「え、話すの?」


「ここまで言われて、もう黙っているだなんて不可能ですわ。貴女達はわたくしの弟子ですもの、信用できない筈がありません」


「え、そこまで信用されると」

「逆に重荷になると思われ」


「ここまでわたくしを追い込んだのですから、秘密を共有して頂かないと割に合いませんわ!」



 千年祭について、全てを語りました。


「そ、それって……〝赤星〟の三倍不味いんじゃない!?」


 三倍どころではありません。


「あああああ、知りたくなかったあああああ」


 モリー、もう遅いですわよ。


「……リファリス、それって…………超特大の呪いって事では!?」


「っ…………ま、まあ、強ち間違ってはいませんわね」


 もはや呪いという枠から外れているだけで。


「う、うふふ、世界を滅ぼしかねないくらいの呪い、うふふふ」


 リジー、駄目ですからね?


「で、だ。シスターはこれからどうするんだ?」


「無論、千年祭を滞りなく開催できるよう、全力でバックアップします。知ってしまった以上は、皆にも協力して頂きますので」


「それはやぶさかじゃないけど、一つ断っておくわ」


「何か?」


「私達が知る事になった理由の大半は、リファリスが原因だからね」


 うぐっふぅぅぅ!

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