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出場者を探す撲殺魔っ

「にゃは~♪ 協力してくれるんだね」


「え、ええ。分かりましたわ、協力致しますわ!」


 くぅ……主へ嘘をつくなんて、どう転んだってできませんわ……!


「じゃあ、リファっちには何を協力してもらおっかな~♪」


 鼻をヒクヒクさせて、勝ち誇った顔をして……! ム、ムカつきますわ……!


「……えい」

 きゅっきゅっ

「はあああああああああんっ! きゅ、急に何するのさ!?」

「単なる八つ当たりですわ」

「そういう八つ当たりは止めてね!?」

「でしたら聖女の杖か、モーニングスターの二択になりますが」

「そ、それもご勘弁」

「でしたら、やはりこれですわね」

 きゅっきゅっきゅっきゅっ

「はあああん! はん、はん、はあああああああああんっ!」



 失神したルディは放置して、まずはリブラの元へ向かいます。


「……部屋……に居る筈ですわね」


 ライオット公爵様が出場しないショックで、閉じ籠もっているのです。


 ……コンコン

「リブラ、わたくしですわ、リファリ」

 ガチャ

「あ、リブラ……きゃあ!?」

 ギィ バタン


「リファリス……!」


 リ、リブラの目が血走ってるのですが……!?


「ど、どうしたのですか?」

「それはこっちの台詞。リファリス、何か用?」

「え、あ、はい。そ、それより、下ろして頂けません?」


 何故か急にお姫様だっこされたのです。


「うん、下ろす」

 ポイ ボフッ

「きゃっ」


 ベッドの上に投げ下ろされて…………ベッドの上?


「リファリス……」


 リ、リブラの目がトロンとしていて…………こ、これは不味いのでは?


「リファリス……さっきルーディア枢機卿猊下のイヤラシい声が聞こえた」


 ここから聞こえましたの!? どんな耳をしてますの!?


「一体ナニをしてたの?」


「け、剣聖祭への協力を頼まれただけですわっ」

「なら、何であんなはしたない声を出してたの、ルーディア様は?」

「そ、それは悪戯が過ぎただけで」

「なら、私も」

 きゅっ

「はあああああああああんっ!」

「悪戯いいよね? リファリスに悪戯していいよね?」


 よ、よくありませんわ!


「リファリス……」

「リブラ、待っむぐぅ!?」



 チュンチュンッ


「うーん、気持ちの良い朝だわっ」


 こ、腰が……。た、立てない……。


「リファリス、おはよ♪」


「お、おはよ、じゃありませんわ……! な、何をしてくれたんですか……!」

「何をって、ナニをしたんじゃない」

「そ、そういう事では無く、同意も無く無理矢理、何をしてたんだと言っているのです!」

「何をって、リファリスだって途中から自分で腰」

 ボギャアアン!

「んぎゃはあ!?」

 ズゴオオン! ドズゥンドズゥンズズゥゥン!「リ、リファリス!? 死ぬ! マジで死んじゃうって!」

 ドゴドゴドゴドゴドゴドズゥンドズゥンドゴドズゥン!!!!

「ひぎゃはあああああああああああ!!」



「ご、ごべんばばい……」


 ボッコボコになったリファリスから出場する旨を受け、今回は許してあげる事にしました。


「だ、だけど私だけ出たって、結局は同じだよ?」


「どうしてですの?」


「だって、私が言うのもアレだけど、私の圧勝で終わっちゃうよ?」


「え」


「今まではライオンジジイが居たから見応えもあったけど、私だけならワンマンショーで終わっちゃうよ?」


 な、なら…………あ。


「リジーを出場させますわ。呪具で釣れば嫌とは言いませんわ」


「リジーかぁ……リジーでも私に勝てるかな?」


 え!?


「剣聖祭ってさ、文字通り剣による戦いなのよ。つまり魔術やスキルの使用は禁止なの」


「ですわね」


「リジーが強い理由、かなり呪いによるブーストって面があるよ?」


「呪いによる……ブースト?」


「うん。筋力を強化したり、剣の斬れ味を上げたり。リジーが強い理由は剣術が優れてるのもあるけど、呪いの使い方が上手いって事も要因なのよ?」


「で、ですがリブラとはいい勝負になりますでしょ?」


「あとはネームバリューの低さね。言っちゃ悪いけど、私とライオンジジイ以外に有名な剣士って、そうそう居ないわよ?」


「つまり、リブラに拮抗する剣士を用意できたところで……」

「観客や出場者が減るのは必至、という訳」


 な、何と言う事でしょう……。


「う~ん……手があるとしたら、意外性のある人物、じゃない?」


「意外性のある?」


「例えばだけど、王族並みに地位がある人が出場するなら……インパクトはあるよね?」


「……意外性とは、元々ネームバリューがある方が、実は優れた剣士だった……という事ですの?」


「これだったら文句無しで集客力アップだよ」


 うーん……確かにその通りですが。


「問題は、該当する人物が居るのか……ですわね」


 大司教猊下はお強いですが、立場上無理です。ならばルディに頑張ってもらいますか。


「居るじゃない、最適な人物が」


「ええ、わたくしも一人浮かびましたわ。ルディです」


「違う違う。もっと最適な人物」


 え、誰ですか?


「人気も人望もあって、何より強い。しかも意外性という点では文句無しってね」


「ど、何方ですの!?」



 次の日。剣聖祭の出場者に、人々を驚かせる名が並びました。


『緊急参戦! 〝聖女〟シスターリファリス出陣!』


 ……何故……こうなりましたの……?

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