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紅い湯の撲殺魔っ

 あ、あががががが…………あ、頭を、頭をかち割られて……い、痛いのじゃ……し、死ぬ……。



「あら? 何故か手応えが?」


 宙を薙いだだけなのですが、聖女の杖からはハッキリとした感触が伝わってきました。


「……気のせいですわね」


 とりあえず倒れた二人の介抱に専念します。



 ゴッキュゴッキュゴッキュ!


 ぶ、ぶはあっ! はあ、はあ、はあ……。

 ア、神酒(アムリタ)が無かったら、本気で死んでおったわい……。はあ、はあ、あ、あのシスター、要注意じゃな……。

 そ、それよりもじゃ! いよいよ、いよいよなのじゃ! こんな目の保養、見逃す手はあるまいて。よし、もう少し近いところで……。



「……ん?」


「リファリス、どうしたの?」


 むぅ!? また杖を持ち出してきおった!


「……いえ……気のせい……だといいのですが」


 杖を離し、再び湯船に浸かったの。あ、危ない危ない……。


「どうかしたの、虫でも居た?」


「……虫……でしょうか……何か視線がチラチラと……」


「視線って……覗き!?」


 ザバアッ


 首だけ令嬢が勢い良く立ち上がって…………むほっ。


「覗き、どこに居るの!?」


 あちこち見渡す度に、程良い重量の双丘が横に縦に……むほっ。


「落ち着きなさいな。はしたなくってよ」


「何を言ってるの。覗きなんて女の敵よ!? 屑よ!? カスよ!? ゴミ以下よ!?」


 グサッ。


「勿論ですが……普通の覗きでは無い気がするのです」


「普通じゃないって……どういう事よ?」


 首だけ令嬢は立ったまま、細い括れに両手を……むほっ。括れたウエストとは対照的に、大きなヒップがこれはまた……むほっ。


「その……少し邪悪な……例えるのなら、呪いのような気配が」

「え、呪い!?」

 ザバアッ


 呪い、という言葉に反応し、狐娘が勢い良く立ち上がって……むほっ。


「呪いどこどこっ呪いどこっ」

「リ、リジーも落ち着きなさい!」


 小麦色の健康的な肌に、首だけ令嬢を軽く超えた二つの山が、動きに合わせて激しく揺れて……むほっ。


「っ!? た、確かに邪悪な気配を感じる。呪いと一緒にしてほしくない、全ての色欲の根源……!」


 誰が全ての色欲の根源じゃ!


「色欲許すまじ! 成敗する!」


 狐娘は折れた大剣を手にし、何やら魔力めいたものを集中し……あ、あれは呪いの力?


「……呪われ斬!」

 ブォン!


 何も居ない()の宙を薙ぐ。


 ピッ


 む! ワ、ワシの頬に傷が!? あの狐娘、呪いの力でワシに傷付けおったわ!


「く、手応え無い……だけど視線は感じる。邪神どこどこっ邪神どこっ」


 誰が邪神じゃ!


「落ち着きなさいと言っているでしょう」

 ザバアッ


 そう言ってシスターも立ち上がり、リジーの呪われた剣を…………むっほおおおおっ。


「あ、リファリス、触っちゃ駄目。呪いが浄化されちゃう」

「あ、失礼しました」


 シ、シミが一つも無い真っ白い肌に、狐娘以上の、しかも芸術品と言って差し支えない程に形が整った女性の象徴が、ツンと重力に逆らって上向き。


「……? あれ、私でも分かった。何かやーらしい視線を感じるわね」


 首だけ令嬢よりも細く締まった腰から続く、国宝級のヒップラインが…………むっほーなのじゃあ!


「……どこかしら……」

「……どこでしょうか……」

「……どこと思われ……」


 め、女神じゃ。女神の戯れが目の前に…………むっふぅあー!


「……ここだわ! はあっ!」

 ズドムッ!


 うわ、危ないのぅ!


「……外したかしら……」


 か、壁に穴が空きおった。首だけ令嬢も侮れんのう。


 ピシ……ボロッ


 む。首だけ令嬢の一撃で空いた壁の穴が、反対側まで通じたの。

 反対側は男共の……こ、これじゃあ!



 ワシはすぐに男湯に意識を向け、男共の心の内にこう呼びかけたのじゃ。


「女湯が覗けるぞ、覗けるぞ、覗けるぞ」


 とな。


「え? 覗けるって……こ、この穴か?」


 壁際に居た男が貫通した穴に気付き、覗き込んでみると……。


「あら? 今度はハッキリとした視線を感じますわね」


 穴の先には、女神級の裸体が……。

「のぅわあああああああっ!!」

 ぶばああああっ


 男は凄まじい鼻血を吹きながら、湯船に沈んだのじゃ。


「な、何だ?」

「お、おい、湯船が赤く染まってくぞ!?」


「男の声ですわ!」

「まさか、男湯から覗いてるんじゃ!?」


 穴を通じて響く美声に、今度は違う男が覗き……。


「ぶっふうううううっ」

 ぶばああああっ


 再び鼻血を吹き、湯船を赤く染めていく。よしよし、その調子じゃ。


「あらぁ? ここに小さな穴がありますわねぇぇぇぇ」


 穴を発見したシスターは、バスタオルで自身を包んでから。


 バガァァァァン!


 壁を殴り破ったのじゃ。


「な、何だ!?」

「一体何が……ぶっふううううっ」


 バスタオル姿のシスターを見ただけで、鼻を押さえる男達。いやはや、これはこれで強烈じゃな。


「わたくしの肌を見たのは、何処の何方かしらぁぁぁ?」


 天井の照明を背にしたシスターの顔に、紅い三つの月が浮かんで…………これは完全な紅月モードじゃな。


「貴方かしらぁぁぁ? 天誅」

 ボグゥ!

「がびゃ!」

「それとも貴方かしらぁぁぁ? 天罰」

 バギャ!

「ひぎぃ!」

「貴方? 滅殺、貴方? 抹殺、貴方ぁ? 撲殺」

 バガッ! メキャ! グチャ!


 嬉々として男達の頭をかち割るシスターは、真っ赤に染まったバスタオルがいつの間にかずり落ちた事にも気付かず……。


「あははは、覗きは一人残らず撲殺して差し上げますわ! あはははははははははははは!」


 男湯に居た哀れな……いや、ある意味幸せな男達を全員殴り殺したのじゃ。


「そこにも居らっしゃるわねぇぇ? 必殺ぅ!」

 バガッ!

 うぎゃあああああ!

鼻血に染まった湯船にシスターと浸かりたい方は、高評価・ブクマを頂ければ、もれなくシスターに撲殺してもらえますのでよろしくお願いします。

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