表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

230/428

大掃除する撲殺魔っ

「ふう、まだまだお掃除が必要ですわね」


「あ、あぐぐ……」

「い、いてえ……」

「な、何なんだよ、このシスター……無茶苦茶強えじゃねえかよ……」


 何かと因縁をつけてきた方々をことごとく撲殺し、教会にお招きさせて頂きました。


「どうですか、お掃除された気分は?」


「……最悪だよ」

「気分良い訳無いだろうが」

「何で俺がこんな目に……」


「害虫駆除も立派なお掃除でしてよ?」


 自分達が害虫呼ばわりされた事にご立腹のようでしたが、わたくしに何かしようという気概のある方はいらっしゃらないようです。


「さて、では皆様には奉仕活動に精を出して頂きますわ」


「奉仕活動だぁ!?」

「ふざけんな! 何で俺様がそんな事をっ」

「いい加減にしろよ、クソアマが」


 はい、貴方に決定。


「天誅天罰滅殺抹殺必殺撲殺」

 バガガガガガガガッ!

「ぶげごふぅ!?」

「はい、脳漿爆裂しました。皆様、お掃除お願いします」

「「「え……」」」

「……もう一人脳漿爆裂しますか?」

「「「いえ、喜んでお掃除させて頂きます!」」」


 素直は良い事ですわ。


「さて、その続きで町の美化にもご協力して下さいますわね?」

「「「え……」」」

「天誅天罰滅殺抹殺必殺撲殺」

 ボギャボギャボギャ!

「ぐひゃひ!?」

「はい、外傷性骨粗鬆症に罹患されました。皆様も体験されますか?」

「「「全力で拒否らせて頂きます!」」」

「では、町の美化にご協力して下さいますわね?」

「「「はい、喜んで!」」」


 掃除道具を抱え、礼拝堂から逃げるように駆け出していかれます。


「うふふ、やる気に満ち溢れていらっしゃる方ばかりで、とってもありがたいですわ」


 さて、頭が半分爆散した方と、全身複雑骨折で虫の息な方。お二人には何をして頂きましょうか。



「……という訳で、このお二方が、わたくしに弟子入りしたいと仰られまして」


「お前……確か、どっかのカジノで用心棒頭してなかったか……?」

「「…………」」


 立派な牧師見習い姿のお二方は、何も言わずに俯いています。


「……町長様のご下問ですわ。答えなさい」


「は、はい! カジノの用心棒頭から足を洗いました!」

「は、はい! カジノの副用心棒頭から足を洗いました!」


「足洗ったって……どういう風の吹き回しだ?」


「え、その……」

「シ、シスターの暴りょ」

「天誅天罰滅殺抹殺……」

「「シスターのお人柄に惹かれました!」」


「ふうん……まあ、いいけどよ。後釜はちゃんと居るんだろうな?」


「はい。ちゃんとわたくしが目を光らせていますから、ご安心を」


「……まあ、シスターがそう言うなら構わねえが……お前ら、そういう道を選んだのなら、ちゃんと真面目に働くんだぞ?」

「「……はい」」



「さあさあ、町長様の許可も頂きました。お二方には、大いに町の美化に励んで頂きますわよ?」

「は、はい……」

「分かりました……」


 モップとバケツを抱え、死んだ目をしながら夜の街に消えていきました。


「ではわたくしも、もっともっと美化にはげまなくては」



「シスター、戻りました」


「ご苦労様。で、どうでしたか?」


「はい、シスターの説教を聞きたいという奴らを捕まえ……いえ、連れてきました」


「な、何だってんだよ!?」

「俺はただ、ショバ代を回収してただけで」


「見習いさん、そのショバ代の回収というのは、違法ですの?」


「違法です」


「でしたらわたくしがお掃除致しますわ」


「はい、見回りに戻ります」


 そう言うと見習いさんはキビキビと出て行かれました。あら、少しやる気が出てきたのでしょうか。


「シスター」


 するともう一人の見習いさんが……あら、今度は女性ですわね。


「ご苦労様。で、どうでしたか?」


「シスターの説教を聞きたいという奴らを捕まえ……いえ、連れてきました」


「な、何なのよ!?」

「私、何もしてないわよ!」


「こいつら、美人局です」


「……違法どころか、人の道に外れてますわね……分かりました、美化致します」


「はい、では見回りに戻ります」


「ご苦労様」


 そう言うと見習いさん、キビキビと出て行かれました。


「さて……皆様には、たっっぷりとお掃除させて頂きますわ」


 そう言って聖女の杖を取り出しました。



「お務めご苦労様でございます」


「あ、はい」


 タッタッタッタ……


「……なあ」

「ああ、言いたい事は分かってる。最近、妙に走り回ってる牧師見習いやシスター見習いが多いな、って言いたいんだろ?」

「ああ。それも見た事ある奴らばっかでさ」

「さっきのは地上げ屋だったし、美人局やってた女も居たな」

「カジノの用心棒も居たぜ」


「「……一体……何が起きてるんだ?」」



「あっはははははははは! ここは天国! 天国ですわあ!」


「も、もう止めて! 私が悪かったからああ!」

「もう弱い者から金奪いません。だから許して下さい」

「もう死にたくない死にたくない死にたくない」


「はあああい? まぁだそんな甘い事を仰ってるんですのおおお?」


 ボガボガボガア!

「あぎゃっ」「ひぐっ」「ぐへぇ」


「はい、『穢れた魂よ、痛みを伴って戻れ』」

 パアアア……

「ぐ……い、いだあい! いだあああい!」

「ぎゃああああ! ひぎいいい!」

「もう嫌! もう嫌ああああああ!」


「あらあら、見習いとなられた方々は、これ以上の苦しみを乗り越えられたのですわよ? まあだまだ魂のお掃除はこれからですわよおおお?」


「「「ひ、ひいいいいい!!」」」


 あはははははは! 撲殺し放題! 楽しいったらありはしませんわ! あっはははははは!

どんどん綺麗になっていきます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=529740026&size=200 ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ