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様子がおかしい撲殺魔っ

「……っ」


「おはよ、リファリス」


「お、おはようですわ」


 ……?


「……何ですの、わたくしの顔に何か付いてまして?」


「え? あ、ううん、特に何も」


「そうですか。でしたら、顔をジーッと見るのは止めて下さいまし」


「……? あ、うん」


「…………ふん」


 ……私、リファリスを怒らせるような事、何かしたっけ?



「…………はぁあぁあぁ」


 ドキドキドキドキ


 わたくし、どうしてしまったのでしょうか。リブラと顔を合わせる度に、胸がドキドキして……。


「もう……あの方があんな事を仰るから……」



『その、リブラって子だっけ。君に首ったけだね』



「わたくしに首ったけ……つ、つまり、リブラも……?」


 聖心教では「心通い合う者には、如何なる障壁も無い」と説いています。つまり、同性婚は認められて…………っ!?


「わわわわたくし、何を考えてるんですの!?」


 はああ、何を妄想しているのでしょうか……。


「……彗星の件で疲れているのでしょうね…………はああ、早く寝ましょう」



『……リファリス』

『……リブラ』


 見つめ合うリブラとわたくしは、お互いの気持ちを確かめ合うかのように、目を閉じて近付きます。


『ん……』

『…………』


 お互いの唇が重なり合い、二人の愛も重なり合い。


『…………』

『…………んあ』


 リブラの手が、わたくしの法衣の襟元から侵入し、敏感な部分を弄び。


『リ、リブラ……』

『リファリス……』


 あられもない姿のわたくしをリブラが押し倒し、ついには…………。



「ひぃああああああああああああああっ!!!!」

 ああ…………あ、あら?


「え……こ、ここは……」


 わ、わたくしの……部屋ですわね?


「リ、リブラは……」


 ……居ませんわね。


「…………夢……ですか」


 ……はぁあぁあぁ……何て夢を見てしまったのでしょうか、わたくし……。


「……はああ、汗でびしょびしょですわ」


 あ、あんな夢を見てしまったら、誰だって……。


「と、とりあえず着替えましょう……このままですと、風邪を引いてしまいますわ」


 ベタベタな寝間着を下から捲り上げ。


 ガチャ バァン!

「リファリス、どうしたの!?」

「っ!?」

「……どうしたの、寝間着を脱いでるの?」


 ……リ、リブラ?


 シュウウ……


「ちょっ、リファリス!? 頭から煙が」

「ひぃ、ひぃ、ひぃあああああああああああああああっ!!!!」

「っ!? ど、どうしたのリファリス!?」

「ててて天誅!」

 バガッ!

「ぐはあ!?」

「きゃああ天罰!」

 ゴガッ!

「んぎゃあ!」

「きゃあきゃあきゃああ! 滅殺抹殺必殺抹殺必殺抹殺必殺抹殺必殺抹殺必殺!!!!」

 ゴッゴッゴッゴッゴッゴッゴッゴッゴッ

「ま、待って! 私が、私が何をしたってのよおおおおっ!!」



 カチャカチャ

「…………」

「…………」


「……リブラ?」

「何よ」

「何故にたんこぶだらけ?」

「さーてねー。何でだろーねー」


「……どうしてリファリスを睨む?」


「本当に何でだろーねー」


「……で、当のリファリス」


「はい?」


「何で耳まで赤い?」

 カチャン!

「ああああ赤くなんかありませんわ!」

「……? 熱でもある?」


「え、熱? リファリス、熱があるから様子が変なの?」


 リ、リリ、リブラの腕がわたくしの額に……!


 プシュウウウ!


「リファリス、耳から蒸気が!?」

「これ、相当な高熱なんじゃ!?」


 リリリリブラが、自らのおでこを、わたくしのおでこに近付け…………ひひゃああ!!


 ボンッ!

「えっ!?」

「リファリス!?」


 そこでわたくしの意識は遠のき…………はふっ。



 リンゴーーン……リンゴーーン……


『リファリス、リブラ、おめでとう』


『ありがとうございます、リジー』


『リファっち、リブラっち、めでたいよ、にゃは~♪』


『ルディもありがとうございます』


『おほん……ではリファリス、汝はリブラを生涯のパートナーとし、永遠の愛を誓いますか?』


『はい、誓いますわ』


『ではリブラ、汝はリファリスを生涯のパートナーとし、永遠の愛を誓いますか?』


『はい、誓います』


『宜しい。二人が結ばれた事を、ルドルフ・フォン・ブルクハルトの名において認めよう』


『『ありがとうございます』』


『では、誓いの口付けを』


 ああ……リブラがわたくしに近付いてきて……。



「あひゃあああああああああ!!!!」

 どんがらがっしゃあああん!

「ひゃぐ!?」


 突然背中に鋭い痛みを感じ、身体を起こして…………あ、あら?


「ゆ、床? 何故わたくし、床に?」


 身体には巻き付いたシーツ。隣にはわたくしのベッド。つまり……。


「……まさかわたくしが、寝ぼけてベッドから落ちるだなんて……」


 本っ当に、最近おかしいですわね、わたくし……。


 ガチャ バァン!

「リファリス、大丈夫!?」


 ……ふへ?


「って……何で床で寝てるの、リファリス?」


 ……リ、リブ、リブリブリブラ?


 プシュウウウ!


「え? また耳から蒸気?」


「ひ、ひ、ひぃああああああああ天誅!」

 バガッ!

「ぎゃああ!?」

「いやあああ天罰!」

 ゴガッ!

「ぎゃひい!」

「きゃあきゃあきゃあ滅殺抹殺必殺抹殺必殺抹殺必殺抹殺必殺」

 ゴッゴッゴッゴッゴッゴッゴッゴッゴッ

「だ、だから、照れ隠しで撲殺は止めてええええええ!」

「照れてませんわ撲殺ぅ!」

 バガアアン!

「みぎゃああああ!」

傍迷惑なデレ。

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