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禁じ手に手を出す撲殺魔っ

「ふんぬっ!」

「むぅんっ!」

「だりゃあっしゃあ!」


「もう嫌じゃ、何も見たくない……しくしくしく」


 わたくしの作戦は思いの外効果的だったみたいで、変態ジジイ様は日に日にやつれていきました。


「そろそろでしょうか」


「にゃは~? 何をするのかな」


「あの方々を一旦離す事を条件に、わたくしの指示に従って頂くのですわ」


「……ねえ、リファリス」


 リジーが若干憐れみを目の中に湛え、わたくしの元へ来ます。


「どうでしたか、リジー」


「う~~~~ん…………ちょっと同情した」


 え?


「しばらく見張ってたけど、食事の世話・下の世話・入浴介助・寝る時の本の読み聞かせまで筋肉ダルマさん達と一緒なのは……」


 待って下さい。


「食事のお世話まではまだ分かりますが、下のお世話に入浴介助ですの?」


「どうやら変態ジジイさん、何から何まで筋肉ダルマさん達がやってくれるみたいで」


「入浴……介助もですの?」


「身体中にオイルを塗りたくった筋肉ダルマさん達が、周りでポージングしながら、変態ジジイさんの身体をくまなく洗ってあげてるみたい」


 そ、それは……確かに地獄ですわね。


「あのままだと、本当に単なるジジイさんになってしまいそうで……」


 私生活は色々と問題があったみたいですが、軍人としては英雄と呼ばれるくらいの実績がある方です。このまま過去の人にしてしまうのは、あまりにも勿体無いですわね。



「……と言う訳で、条件付きで筋肉ダルマ様を半分にします」

「半分でも構わん! 頼むから、頼むから、ワシの視界に入らんようにしてくれええ!」


 ……相当応えているようで、目の下には濃い隈が浮かんでいます。


「でしたら、わたくしの言う事を聞いて下さいま……っ!!!?」

「うっひょおおおっ!」


 わ、わたくしの法衣を、巻くし上げ……!


「むう、白じゃな! やはり覗くよりも生で見る方がええのう」


 ………………。


「さぁさ、次は魅惑の双丘に……」

「…………天誅」

 どぐわしゃあ!

「げぺぴっ」

「『復活』」

 パアアア……

「……ひぐっ。ふ、は、はあ、はあ」

「天罰」

 めきゃぼきゃあ!

「がっふぁっ」

「『復活』」

 パアアア……

「……うぐぅ!? は、はあ、はあ、はあ」

「滅殺」

 ぼきぼきぼきぐしゃあ!

「おぐぅ!?」

「抹殺」

 ぐちゃむちゃばちゃあ!

「ごぶふぅ!?」

「撲殺」

 ぱきゃああん!

 ……ゴトッ

「『復活』」

 パアアア……

「……うぐごふっ! は、はあ、はあ、はあ」

「リピート……天誅」

 ぐしゃあああ!

「こふっ」

「『復活』天罰『復活』滅殺『復活』抹殺『復活』撲殺」

 ぐしゃパアアアごしゃパアアアめきゃパアアアぐちゃパアアアごしゃあ!

「わ、ワシが悪かった! 謝る、謝るから勘弁してくれえええ」

 ごばしゃあ!

「かふっ」



 ……生娘(わたくし)に触れた事で元気を取り戻した変態ジジイ様は、再び筋肉ダルマさん達のお世話になるようになりました。


「嫌じゃ嫌じゃ嫌じゃあああ!」

「ふんぬっ!」

「むぅんっ!」

「だりゃあっしゃあ!」


「あのジジイ、女の人を見たり触ったりする事で、生気を保っている模様」


 …………絶対に許しませんわ。


「リジっち、今のリファっちには何を言っても無駄だって」

「むうっ」

「下手したらアタシ達も撲殺カーニバルの対象になっちゃうよ」

「む、それは勘弁」


 撲殺カーニバルって何ですの!?


「リファリスー、あれはもうどうしようも無いよ」


 筋肉ダルマさん達にワッショイされながら移動する変態ジジイさんは、わたくし達を見てニヤニヤしていました。おそらく『千里眼』をしたのでしょう。


「あれは性根の底からのスケベ。本人にとっては、息する事と同じような事」


 つまり……死んでも治らないを体現したような人物なのですね。


「そうなると困りましたわね……解放するのは以ての外、かと言って覗かれていると分かった上でわたくし達の監視下に置くのも……」


 おそらく、わたくし達自身が耐えられません。


「……だったらリファリス、禁じ手を使ってみる?」


「禁じ手?」


「言う事を是が非でも聞かせられる方法、一つだけある」


「……リジっち、それってまさか……」


「うい。聖心教では禁止されてる、アレ」


 ……読めましたわ。


死霊魔術(ネクロマンシー)ですわね」


「うい。変態ジジイさんをゾンビ化して使役する。これなら色欲は抜け落ちる筈たがら、スケベな心配はナッシング」


 ……ゾンビ化とか、気軽に言ってくれますわね……。


「リジー、目の前に聖心教の大司教に最も近い方がいらっしゃるのですよ? その前で禁じ手(ネクロマンシー)だなんて、許されると思ってますの?」


「大丈夫。代行だって女性、覗かれるよりは禁じ手容認を選ぶと思われ」


 だからと言って、ルディが禁じ手を認める筈は……。


「アタシは何も見てない、聞こえない」


 ルディ!?


「ネクロマンシーなんて知らないにゃー、何の事だか分かんないにゃー」


「主の教え云々の前に、女性の尊厳が重要と思われ」


 た、確かにその通りですが……!


「だったらリファリス、早速知り合いのネクロマンサー呼び出すべし。べしべしべし」

「にゃは~、べしべしべし♪」


 べ、べしべしべしって……。


「…………はぁ、分かりましたわ……その代わりルディ、わたくしの知り合いにネクロマンサーが居る事は」

「勿の論、他言しないさー」


 ……不安しかありませんが……仕方ありません、呼びますか。

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[一言] ふむ〜、シスターリファリスの下着は白のTバック紐パ・・・ おっと、誰か来たようだ・・・ ゴソゴソ・・・ガチャ・・・シャガ!・・・カチャ・・・ ブゥ〜ン・・・ブゥ〜ン・・・
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