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見回りとおっぱい神様っ

 警備隊内のゴタゴタは一段落し、警備隊長様と古参の隊員さん達は実技大会へと、若い隊員さん達はボイコットを解除して通常任務へと復帰しました。

 が。


「え? やっぱり助けてほしい、とは?」


「その……実技大会に参加する人数分、人手不足に陥ってまして」


「でも実技大会は毎年あるのでしょう? いつもはどうしてたんですの?」


「そ、それは……その……居残り組に頑張ってもらってました」


「つまり、今回の居残り組でも、頑張れば何とかなるのですわね?」


「本来ならそうなのですが…………こ、今回はそういう訳にもいかず……」


 まどろっこしいですわね。


「はっきり仰って下さいな」


「は、はい! 実は実技大会反対派が、我々の日程に不可思議な点が多いと、難癖をつけて参りまして!」


「……で、それがどうかしまして?」


「はい! それを上層部が聞きつけて調査が入り、大会期間中に我々が経費を使い込んで贅沢三昧している事がバレましおぶごばっ!?」


 あら、ついつい撲殺してしまいました。


「『復活』」

 パアアア……

「はい、続けなさい」


「は、はい……さ、更に大会期間を偽って報告し、倍の日数滞在していた事もバレましばげしっ!?」


 あらあら、また撲殺してしまいましたわぁ。


「『復活』」

 パアアア……

「……はい、続けなさい」


「は、はひ……お、おっぱいパブやおっぱい喫茶に通い続けんぐふぇ!?」


 あらあらぁ、ついつい撲殺してしまいますわぁ……この隊長様、撲殺し易いですわぁ。



「……でも行ったんだ、あの隊長さん」

「反対派から数名、監視要員として付いていきましたから、今までのような訳にはいきませんわよ」

「……そこまでしてでも、行きたいのね……」


 しかし反対派から抜けた分、人手不足は更に加速してしまい……。


「……で、わたくし達でカバーしますので」

「…………別にいいんだけど、私も頭数なんだね」

「うい、私も」


「リブラは…………わたくしに対しては借りが多いですわね、いろいろと」

「う……」

「リジーは……まだ暇ですものね」

「否定しない」


「ですから、手伝って下さいな」


「「わ、分かりました……」」


 みゅううん


「はいはい、ベアトリーチェも手伝って下さるのですね」


 みゅんみゅん


「うふふ、くすぐったいですわよ」


「え、ベアトリーチェも行くの!?」


「はい。隊長格は馬に乗るのが慣例だそうでして」


 わたくしロードですので、警備隊長代理としてお手伝いしています。


「……で、馬代わりがベアトリーチェ?」

「はい。乗っていいか聞いてみましたら、快く引き受けて下さいましてよ?」

 みゅーん♪


「…………ま、まあ、いいんだけどね」


 さて、着替えましょうか。


 バサッ

「「んなっ」」


 とは言っても、上に羽織っていた法衣を脱いだだけですが。


「リ、リファリス、何で」


 どうかしまして?


「何で、ビキニアーマー着てるのよ!?」


「…………ああ、着てますわよ。それが何か?」


「うん、ビキニアーマー着るのが自然になってる、うん」

「リファリスが……リファリスが撲殺魔から露出狂にクラスチェンジした!?」


 失礼ですわね。


「別に深い意味はありませんわ。いつもの法衣ですと、騎乗には向かないものですから」


「「……ああ、確かに」」


 裾が引っかかりますの、裾が。


「だ、だからって、ビキニアーマーじゃなくても」

「他に着るものがありませんの」

「「……確かに」」


 近いうちに、法衣や寝間着以外の服を見てこなくては。


「では参りますわよ……ベアトリーチェ、お願いしますわね」

 みゅううん!


 ベアトリーチェに跨がり、教会を出発します……。

 が。


「あら、あららららああああっ!?」

「リファリス!?」

 みゅううん!?


 すてえええん!



「……ごめんなさいね、ベアトリーチェ」

 みゅううん


 そんな事気にしないでって……優しいですわね。


「まさかリファリス、馬に乗れないなんて……」


 ……ベアトリーチェなら……大丈夫だと思ってたのですが……。

 勢いよく落馬……もとい落熊したわたくしは、額にできたたんこぶをさすりながら、ベアトリーチェの肩に座っています。


 でんでんでん


「……ベアトリーチェ、二足歩行できるんだ……」


 みゅううん!


「問題無い、と仰ってますわ」


「……これ、一般人が見たら、卒倒するよね……」


 たまに、本当にたまに、死んだ振りをして倒れている方がいらっしゃるのは事実です。


「ま、まあ、犯罪の抑止にはなりますわよ」


「……犯罪だけじゃなくて、人が出歩く事に対しても、抑止になるような気が……」


 みゅうん!

「え、ベアトリーチェ、本当ですの?」


「ん、どうかした?」


「いえ、あの建物の塀を乗り越えようとしている輩が」

「そ、それって泥棒じゃないの!?」


 泥棒ですの!?


「ベアトリーチェ、参りますわよ!」

 みゅううん!


「あ、待ってリファリス! ベアトリーチェが本気で走ったら、間違い無く四足歩行に」

「え、きゃ、きゃああああああっ」


 突然前屈みになったベアトリーチェの肩から、勢いよく落下し。


 がぁんっ!



「…………ぅ……」


 みゅんみゅみゅううん!


「あ……ベアトリーチェ?」


 みゅううん!


「くすぐったいですわよ……それより……わたくしは一体……」


「ベアトリーチェから落ちて、盛大に頭を打ちつけて気絶したのよ」


 ああ、そうでしたわね……そ、それより。


「泥棒は!?」


「ああ、泥棒なら……ベアトリーチェが捕まえたわよ」


「ベアトリーチェが……」


「捕まえたと言うより、捕獲された」


「え?」


「リファリス、流石に泥棒さんが不憫だから、ちゃんと生き返らせてあげて」


 みゅううん!


 ……ああ、力余って、という事ですのね。


「リファリスとベアトリーチェ、撲殺繋がり」

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― 新着の感想 ―
[一言] とうとうシスターリファリスがビキニアーマーを受け入れた事に驚きw おっぱい神様はやっぱり実在したんだ!!
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