表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

164/428

再びおっぱい神様っ

 結局のところ、あれだけ真摯に頭を下げられては、断るなんてできる筈もありません。


「結局引き受けちゃった?」


「仕方ありませんわ。第一『いえ、聖女様が引き受けて下さらない限り、頭を上げる事はできません』を延々とやられたら、流石にわたくしでも我慢の限界がありますもの」


「撲殺できるチャンスだったと思われ」


「…………リジー、貴女わたくしを何だと思ってますの?」


「撲殺大好き、僕らのおっぱい神様おぐふぉ!?」


 あらあら、こんなところに撲殺チャンスが転がってましたわ。



『巡回路は警備隊詰所にある地図をご参照下さい』


 警備隊長様に言われた通り、まずは詰所へと向かいます。


「…………何ですの、あれは」

「何だと言われても……詰所じゃないの?」

「随分派手派手しくなってる」


 リジーの言う通り、派手派手しくなっていました。


「と言うより、中に入れませんわね」


 扉は固く閉ざされ、そこには「要求貫徹」「絶対勝利」と赤い塗料で書かれていました。


「本当に機能不全に陥っているのですね」


 ガタッガタッ


 中から棒を噛ませてあるようで、ビクともしません。


 ドンドンドン!


「誰かいらっしゃいませんの?」


 強めに扉を叩きますと、中に誰かが居る気配がしました。


 ドンドンドン!


「わたくしですわ、リファリスですわ」


 ガタタッ


『え、リファリスって……聖女様じゃないか!?』

『そうだ、聖女様だ!』

『おっぱい神様が俺達の元に降臨されたんだ!』


 またおっぱい神様ですの!?


「おっぱい神様の登場ー、開けなさーい」


『え、今のはおっぱい神様の御声じゃ無かったぞ!?』

『ま、まさか偽者?』

『そうだそうだ! どうせ警備隊長の差し金に決まってる!』


「警備隊長なんて関係無いよー、何も頼まれて無いよー、『いえ、聖女様が引き受けて下さらない限り、頭を上げる事はできません』なんて言われて無いぶごひゃ!?」


 余計な事を言わないで下さい!


『……今のヤツ、隊長お得意のだろ?』

『ああ。わざと人前で土下座して、断れなくするんだよな』

『隊長め、まさかおっぱい神様まで巻き込むなんて』


「……つまりあの土下座は、警備隊長の常套手段だった訳か。やられたわね~」


 確かに、躊躇ありませんでしたし、やり慣れてらっしゃいましたわね。


「リファリス、どうするの? 警備隊長絡みってバレちゃった以上、おっぱい神様の説得でも開けそうに無いよ、これは」


 確かに……説得は不可能そうですわね。


「待ってリファリス、手はある」


 リジー?


「リファリスが再びビキニアーマーを着れば、言う事を聞くのは間違い無し」


 はああああああっ!?


『ま、まさか、おっぱい神様降臨!?』

『ビキニアーマーの奇跡、再び!?』

『『『うおおおおおおおおお!!』』』


「ま、待って下さい! あんな破廉恥な物、二度と着ませんわよ!?」


『『『……え~……』』』


「あああっ!? 開きかけた天岩戸が再び閉じられようとしている!」


「あまの、いわと? 何ですの、それ?」


「何でもありません。それよりリファリス、更に頑なになっちゃうよ?」


『要求貫徹!』

『ビキニアーマーよ、再び!』

『真おっぱい神様降臨を望む!』


「……要求が変わっちゃったね」

「うーん……だったら、真おっぱい神様のお願いだったら、聞いてくれる?」


『『『聞く聞く、聞いちゃう!』』』


「と言う訳で、リファリス。お覚悟を」


「何故わたくしがビキニアーマーを着る事が、確定事項になっているんですの!?」


「人類の平和の為」

「血を流さない為」

『悲劇を起こさない為』


 わたくしにとっては、ビキニアーマーを着なくてはならない事自体が悲劇ですわよ!


「いくぞー、そーれそれそれ♪」

『おっぱい神!』

『おっぱい神!』

『おっぱい神!』

「そーれそれそれ♪」

『おっぱい神!』

『おっぱい神!』

『おっぱい神!』

「そーれそれそごぶへぃ!?」

「煽らないで下さい!」


 リジーが煽ったせいで、中はおっぱい神様祭りです……。


『『『おっぱい神になっちゃってええええっ!!!!』』』


「あははは、リファリス、なってあげたら?」


「リ、リブラまで、何を言い出すんですの!?」


「だって、ここまで来たら、強行突破か懐柔策かの二つに一つじゃん」


「まあ……確かに」


「リファリス的には血を見たいのかもしれないけど」

「血、血を見たい訳ではありませんわ」

「あ、そう。だったら懐柔策しか無いよね」


 懐柔策……つ、つまり。


「ビキニアーマー着るのよ」

『『『ビキニアーマーいっちゃってええええっ!!!!』』』


 だ、だから、何でそうなるんですの!?


「いえ、聖女様がビキニアーマーを着て下さらない限り、頭を上げる事はできません」


 どこから出てきましたの警備隊長様!?


「いえ、聖女様がビキニアーマーを着て下さらない限り、頭を上げる事はできません」

『『『おっぱい神になっちゃってええええっ!!!!』』』

「いえ、聖女様がビキニアーマーを着て下さらない限り、頭を上げる事はできません」

『『『ビキニアーマーいっちゃってええええっ!!!!』』』


 そ、そこまで盛り上がる事ですの!?



「…………はぁぁぁぁ」

「さあさあ、リファリス、御披露目よ」


 ……結局こうなってしまうのですね……ああ、主よ、どうかお許し下さい……。


「ビキニアーマーいっちゃってえぶぎゃあ!?」

「元を辿れば貴女のせいですわよ!?」

 ボカボカボギャア!

「ぎゃああああっ!」

『『『血塗れ聖女になっちゃってええええっ!!!!』』』


 やかましいですわよっ!

ビキニアーマーいっちゃってええええっ!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=529740026&size=200 ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
[良い点] >血塗れ聖女になっちゃってええええっ!!!! よし!言質はとった! ビキニアーマー回避成功! [一言] >ビキニアーマーいっちゃってええええっ!! さぁて・・・色々と不埒なことを考えてしま…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ