モード ポメラニアン??
聞いた瞬間、悠里は白目になった。
「ポメラニアンとは?」
「特別な物だろうか?聞いたことがない」
と補佐官二人が後ろで首を捻っている
グラントは悠里に向かって訪ねてきた。
「ユーリ、ポメラニアンとは何だ?」
白目になってた悠里は長いまつ毛を数度瞬くと、疲れた様にグラントに言った。
「あぁ、私の世界にいる犬です。大人になっても小さい犬種なんですよ。愛玩犬ってやつです」
「メタモルフォーゼと言ってたな。その犬になるってことか?」
「、、、でしょうね」
遠い目になっていた。
(一体どうやって変身なんかするのよ。そこまで教えてくれないと困るんだけど)
来た時と同じように静かになった球体が恨めしい。
考え込んでいたウォルフが
「まぁ、リラクゼーションということは、癒し、ですかね。
言われてみれば、悠里がここに来てから、なんとなく気が緩むというか、珍しくこの部屋全体がほのぼのしている様にも感じますしね」
グラントが腕を組んで同感とばかりにうんうんと納得していた。
「ポメラニアンは置いといて、まずはこちらに慣れるためにも、ユーリ、騎士団とは別にお仕事してみませんか?」
「え?」
(ポメラニアン、置いとくんかい!そこが重要じゃ無い?)
悠里は何言い出した、こいつ、正気?とウォルフを見る。
「あ、でも、魔力とか使い方わからないし」
無駄と思いつつ、軽く抵抗してみる。
「あなたは人との魔力の親和性が高い。先程、測定時に様子を見てましたが、たまちゃ、、んんっ、球体が火傷しそうなほど熱くなる程の魔力量です。
おそらく、ですが、そばにいるか、触れるだけでも能力は発揮されるのでは?」
(やっぱり、どこまで熱くなるか見てたのか。この人結構酷く無い?!)
悠里は密かにウォルフ対してジリジリと警戒度を上げた。
「そういえば」
グラントが思い出したように言った。
「女性隊員たちが、ユーリとハグしたあとはよく眠れる、とか言ってたな」
「あ」
悠里も思い出した。
仲良くなった女性隊員たちに、それから毎晩のようにムギュっとハグされる様になったのだった。
きゃっきゃ、うふふと戯れる女性たちに、
男性隊員は、良いなぁ女子はと羨ましげに見ていたが、もちろん男性隊員に許可するグラントでは無い。
「慣れてる西の森の巡回とはいえ、少なくとも緊張感は漂うからな。今回は疲れてるはずの帰りの方が楽だったようだ」
「決まりですね」
ウォルフはにっこりと笑みを深めた。
(この人、本気で無茶ぶりすぎだよぉぉぉ)
プルプルと涙目になってウォルフを睨む。
もちろん、そんなものはウォルフにとって、痛くも痒くもないのであった。
ウォルフがたまちゃんと名づけました。
白くて丸くてつるんとしたものに目がないんです。
本当は悠里のほっぺもスリスリとなでくりたくて、じっと見てたのですが、泣く泣く諦めました。
男性隊員の多くは癒し系で小さくて可愛い悠里にメロメロだったのです。




