魔力測定
魔力測定器は悠里の頭くらい大きい、透明な球体だった。
台座から数センチばかり浮いて、良くみると球体の中は様々な色がうっすら混じり合ってほのかに光っていた。
神秘的で美しい。
吸い込まれそうと悠里は思っていた。
「手のひらで覆うよう。そうそう。そんな感じです。目を閉じて、なるべく無になるようにすると結果が早く出ます」
ウォルフに言われ、悠里がそうっと球体に触れると、わずかな鼓動を感じる。
どんどん自分の鼓動と共鳴して、球体と一体化したような気持ちになった。
「暖かいです。気持ちいい」
目を閉じて、悠里が鼓動に身を委ねてうっとりと言うと、ウォルフが軽く目を見開いて言った。
「魔力の親和性が高いですね。初めてでここまで高められるのは珍しい」
ふむ、と球体と悠里を見つめた。
「素直なんじゃないか?うちの隊でも悠里を不快に思う奴はいなかったしな」
グラントはすんなり隊に溶け込んで、翌日には女性隊員に可愛い!!とムギュっと抱きしめられている悠里を思い出していた。
しばらくしてブーンという音とともに、球体が白く光出した。
「あ、もう大丈夫です。手を離して下さい」
「熱っっっ」
ウォルフに言われて慌てて手を離す。
かなり熱くなって、びっくりして手のひらを見つめてしまった。
(びっくりしたぁ。火傷するかと思った)
「大丈夫か!?見せてみろ」
面倒見の良いグラントが心配して悠里の手を取り、様子を見てくれる。
「すみません、ちよっと気を取られて言うの遅れました」
ほんのりと眉を下げて申し訳なさそうにウォルフが言う。
(本当かなあ?どこまで熱くなるか見てなかった?この人)
若干信用なさそげな目線をウォルフに送った。
「大丈夫ですよ。すぐ離したので」
ほらねっとばかりに、手のひらをを広げて二人に見せる。
ピンポンパンポ~~ン
「測定結果が出ました」
緊張感に欠ける音とともに、のんびりした声が室内に響く。
まさか球体が話すとは思わず、ぎぃやぁぁぁ!と女子にあるまじき声を上げてしまった悠里であった。




