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吝嗇3  作者: 東京鉛筆
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りんしょく

私はけちな性分らしい。お金があるときはあるだけ使い、

そして財布の底が見えてくれば小銭ばかりをケチろうとする。

自分の財布から飛んでゆく札には目もくれず、たとえばスーパーで蕎麦を買うとき、

わざわざ安いのを買うのだ。これをけちといわずして、なんと言えよう。

くだらない。くだらないことで私や多分貴方や貴方のなかの何割かの人たちとは

ここで同意できるわけだ。それだけでもうれしい。

私は気づいた。私は今、孤独なのだと。

それでも私は多分生き続けるのだ。その先にどんな苦しみが待っていようとも、

それは続くのだろう。後悔は長いか?短いか?

私はそのことだけが心配で、わたしの愛する人、私の家族、わたしの仲の良い友や

思い出の人、触れ合った、言葉を交わした、なんでもいい。

苦しい。今を形容すれば、まるでどんよりと曇った日々にいつのまにか

気持ちが暗くなってしまっているような気分なのだ。

わたしはけちなのだ。

これは性格、性分なのだ。今更変えようにも変えるに足る動機を見出せない。

ひどいものだ。自分の欠点・・ではない、自分がこの先持っていれば命を縮めかねないこと、

そういうものを目の当たりに、触れるように知っていながらも、幾度幾度の気持ちを

強く持つ事ができない。最後にもしかしたら、本当に苦しい時間を

長い間過ごすかもわからない。わたしはこれを書くのが怖くはない。考えるのが怖い。

突然終わるのは怖いかどうかわからない。

この生の行く末に、苦痛があるかもしれないのが怖いし、じっさいにそこに至り、

苦しみの、痛みのさなかにいる自分がどのような気分なのかさえ

しっかり見えないのだ。私は生きている。

明るい気持ちで生きると約束したのだ。それに足る世界なのだと信じて生きているのだ。

簡単なことだ。私たちは忙しくいきるべきだ。

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